兄と弟と妹と

□久しぶりに会った時はとりあえず久しぶりって言っとけ。
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「いやー久しぶりじゃのぉ神羅!
おまん全然連絡よこさんからてっきりもう死んどるもんかと思ったぜよ!」
「あーはいはい、辰馬さんは相変わらずですね。
あ、陸奥さん、あとこれもお願いします。」
「おおきに」
「なぁ神羅、おまん地球行ったんじゃろ?
おりょうちゃんは元気じゃったかのぉ」
「生憎、かぶき町を見て回ったわけじゃないんです、ちょっと、ちょっと邪魔ですこのモジャモジャ」

…この人、手紙だと真面目なのに。
口開くとろくな事言わないなとか思ってしまう。
陸奥さんは慣れているようで時折屑を見る目で辰馬さんをみていた。

「しかし…随分と買うんじゃな」

陸奥さんがしみじみと言う。確かに結構買ったかも。

「ちょっと入り用でしてね。
いくらですか?」
「これくらいじゃな」

提示された金額に一瞬苦い顔。しても勿論、陸奥さんはびた一文まけてくれることはなく。
財布が寂しくなったけど仕方ない。

「あ、ねぇ辰馬さん、
この船は次はどこへ向かいますか?」
「そうじゃのぉ、久しぶりに地球でも行こうかの!なぁ陸奥」

そう言いながら辰馬さんが振り返ったとき、
陸奥さんは迷うことなく顔面に算盤を投げつけた。

「…何ふざけたこと言うとるんじゃ頭。
これから仕入れじゃろうが」
「おーそうじゃったそうじゃった!!
と、いうわけでの、これから先は企業秘密だのう」
「…。」
「神羅?」
「あ、わかりました…」

陸奥さん、大変だろうなぁ…。

++++++++++++++++++++


「…さて。」

とりあえず近くのターミナルにおろしてもらった。
懐から依頼書を取り出して内容を読み込む。
せっかくターミナルにいるんだから、近くのところからテンポよく潰していこう。

「一番近いのは…こことここか。」

ほんじゃ、まぁ

「働きますか。」



05:久しぶりに会った時はとりあえず久しぶりって言っとけ。
 

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