兄と弟と妹と

□愛の形は十人十色
1ページ/1ページ




これは昔の俺の記憶か

『役割?』
『ああ。
1人目はな、親の愛を一身に受けて育つんだ。
そして、愛を知る』
『私達が、神羅をめいっぱい愛する。
そうして、次に生まれてきた子達を、
今度はお兄ちゃんである神羅がめいっぱい愛してやるんだ』
『俺が神威たちを?』
『そうだ。
神羅は私たちからもらった愛を、分け与える役目を持ってる』
『分け与える…。』
『だから、お兄ちゃん』

母さんは神威と、お腹を撫でながら。
父さんは俺の頭をわしゃわしゃと撫でながら、笑顔でいう。

『めいっぱい愛してやれ!』

ああ、そうだ
母さんの最期の言葉

「神羅、貴方は…たくさん愛してやれ。
ただでさえ、神晃に似て愛情表現がわかりにくいんだから。
もっともっと…たくさん愛しなさい」

神威と神楽に隠し続けてきたのは、俺なりの愛情表現だったのだ。
心配させまいとする、へたっぴな愛情表現。
だからどうか許してくれ

お前らに、黙っていたことを



28:愛の形は十人十色
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ