青扉
□また会えたら
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涼しい風が吹く屋上
『ここの景色も好きだったな...』
雨も降っていない空の下
場に合わずびしょ濡れの制服を着た少女が前を見渡していた
キ-ンコ-ン...
屋上までスピーカーはないようでうっすらとだけ予鈴が聞こえた
少女は目の前の柵に手をかけた
『おばあちゃん......』
バタンッ!
扉を勢いよく開ける音がして振り返ってみた
「はぁっ.........郁夜ちゃん......っ...はぁ......何...してるの......?」
そこには息を切らしながら私にそう問いかける山崎君の姿があった
『どうしたの?さっき予鈴鳴ったから教室戻らないと』
「それは郁夜ちゃんもでしょ?」
『私はいいの』
「何それ、どこのお嬢様?」
そんな事を言って二人で笑いあうと本鈴が聞こえた
『.........ほら、遅刻』
「だから、郁夜ちゃんも」
『私はもう行く意味ないから』
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