夢ヲ見テイタ
□プロローグ
1ページ/1ページ
「痛いっ!痛いッ!!」
バシバシと、親にひっぱたかれる毎日。
愛のない、暴力の毎日。
「うるせぇんだよ!」
「ううっ…!」
当時五歳の私には、辛くて、涙なんて流しちゃいけなかった。
そんな毎日は、私の精神を崩壊させないワケがなく…。
「ウアァァァァァァァァァァァァアアッ!」
五歳10カ月。
山田花子。
幼くして、両親を殺す。
警察から精神鑑定をされた結果、【多重人格】たるものが、私の中に存在することが分かった。
それに気づいた私は、自分の中にいる“ワタシ”を意識し始めるようになった。