夢ヲ見テイタ

□Chapter. 1
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宇波高校。



私の通う高校の名前だ。
都内にある公立高校に通う、見た目はごく普通の女子高生と変わらない。

だが、性格はボロボロだ。

今日は、ワタシの中にいるCちゃんの日。
Cちゃんの性格は、明るい。

ちなみに、主人格の私の性格は、クールで無口だ。


「今日は、原宿のパンケーキ屋さんに行こっと!」


ルンルンだった。

こんな私だから、誰も寄りつかない。
性格は毎日のようにコロコロ変わるから、そんなやつについてこれる者は、今のところ誰もいない。


“パンケーキだぁ?ふざけんじゃねぇ!オレはそんな女が行くような店に行きたくねぇ!”


「良いじゃん!どうせBちゃんだって女の子だし。」


“オレは男だ!”

Bちゃんは、自称男の子。
だから、Bちゃんが好きになったことがあるのは、もちろん"女の子"。

なので、見た目はレズにしかみえないので、ワタシの中にいるさまざまな人格がいつも反対している。

ちなみに、Eちゃんまでいて、Dちゃんは男を惑わす、いわば色気のある大人の女性。

Eちゃんは、ただ単に暴力的なだけ。
昔は、どっかの暴力団に入ってた。


だから、街路で絡むとろくなことがない。


「ほら、電車乗るから少し黙っててよ。」

そう。

端から見れば独り言なので、余計怪しまれる。

すると、にょきにょきとワタシの主人格が出てこようとする。


さっきまでの女の子らしい表情から一転して、鋭く尖った目付きになる。

元々、顔立ちが端整で、いわばクールビューティというやつだった。


「そんな気分じゃないんだ。帰るわよ。」

私は完全に主人格に戻って、家に帰ろうとする。


“ヒドイヒドイヒドイ!せっかくパンケーキ食べれると思ってたのに、花子のバカ!”

Cちゃんが怒るが、私は無視をする。
すると、私は交差点にいる盟王学園の制服に目が止まった。
この辺は、盟王学園の生徒が彷徨いているから、イヤでも目に入る。


“あ、あの男の子イケメンでいいじゃない。誘おうかしら?”

Dちゃんがそう言うが、私は無視した。

「興味ない。」

私はそういって、青信号になり渡る。
向かいから、盟王学園の生徒が歩いてくる。

(盟王学園なんて…生意気。)

私はいつも思っていた。
盟王学園といえば、頭のいい連中が集まってくる場所。

世の中では、東大直結とも言われている。


「キャッ!」


後ろから押され私は転けると、バッグから中身が全部飛び出た。

早く詰めないと、赤になってしまう…!



「大丈夫ですか?」

「!!」


さっき向かいにいた盟王学園の生徒…!

“ほら!わたしにかわってよ!こういう可愛い子いじりたいの!”

Dちゃんがワタシの中から出ようとする。


「ちょ…ダメだから!」


「?どうかしましたか?」


「…いえ、ごめんなさい。」

私は急いでバッグに詰め込む。
盟王学園の生徒に、頭を下げて家にかえる。

“なんで変わらないのよ!”


「うるさい!私の身体なんだから、もっと労りなさい!一体何回やったらすむの?!」

私はそう言いながら自分の家に帰った。
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