夢ヲ見テイタ

□Chapter. 3
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「あ、あの…山田さん!」


「?」


クラスメイトに話しかけられるのが久しぶりすぎて、少し驚く。

この日の私はCちゃんだった。


「あっ、あの…!この前、盟王学園の男の子が校門で山田さんを待ってたじゃない?あれって、もしかして彼氏?」

そう聞かれて、Cちゃんが戸惑う。

“何迷ってんだよ!彼氏じゃねぇに決まってるだろうが!”

BちゃんがCちゃんに一喝する。


「あぁ、えっと、彼氏じゃないけど、知り合い…かな。」


「えぇ〜っ!いいなぁ〜!何て言う人なの?」

「南野くんって言うの。私の家の近所に住んでて、それで仲良くなって。」

Cちゃんは嬉しそうに話す。

(良かった!花子に話しかけてくれたっ!)

「南野くんって言うんだ〜!カッコいい〜っ!」

確かに、カッコいいのは間違いない。
長髪のイケメンで、しかも頭が良い。

寄り付かない女子が居ないわけがない。


「今日、また放課後一緒に帰るの?」

「えっ…まぁ、南野くんがいたら…ね。」

一緒に帰ってることなんて誰にもいっていないのに、情報というものはスゴいもんだと、感心する。

「いいないいないいないいないいないいなぁ!ねぇ、南野くんに彼女居るか聞いてよ!」




彼女…かぁ。




「と、言うわけで聞きたいんだけど、南野くんに彼女っているの?」

「居ません。」

「あら、意外。」

Cちゃんは、てっきり彼女がいるもんだと思ってた。

「南野くんモテモテなのに彼女居ないなんて意外だね!」

「そうですか?そういう君はどうなんですか?」

「私としてはまだ誰も付き合ったことないよ。一番男の人と付き合ったことがあるのは、Dちゃんがダントツ。」

Cちゃんはため息をつきながら言う。


「Dちゃん…というのは、確か妖艶な女性でしたっけ?」

「そう。ワタシのなかにいるみんながため息。今は花子から謹慎処分食らっているから南野くんに襲いかかることはないけど、万が一Dちゃんっぽいヒトが出てきたら、逃げた方がいいよ。ほんと、何されるか分かんないもん。」

Cちゃんはヒソヒソと話す。

「その時は気を付けます。」

「あ、そうだ!ねぇ、原宿行かない?この前花子に邪魔されてパンケーキ食べれなかったからさ〜。ね?」

Cちゃんが南野秀一の腕をつかんで頼む。
その光景はまるで、カップルだった。

放課後、原宿でのんびりとパンケーキをたらふく食べて帰る途中、浦飯幽助に続く者が現れた。


「仕事だ。そこの女も来い。」

「だれ?この小さい男の子。」

私がそう言うと、鋭い目付きで睨まれた。

「キサマ…殺されたいか…。」

「まぁまぁ!とりあえず行きながらお互いの自己紹介しましょう。ね?」

南野秀一がこの場を押さえる。
仕方なく、私たちは男の子についていくのであった。
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