小説部屋─如月─

□ずっと好きな人
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今日は晴天でデート日和。
待ちに待ったガンちゃんがとのデートで。
久々におめかしをしてヤッターマン基地へ来てみた。
だけども、デートをする予定である人は何時もの繋ぎを着て相変わらずメカをいじっている。

ちょっとはこっちを見てくれてもいいんじゃないの?
って何時もの思うけれど、そんなところも好きになったのも事実で。

惚れた弱みかもと苦笑に似た笑みが溢れてしまう。

折角、今日の為にとっていたお気に入りの白色でレースがふんだんに使われているワンピースも無駄になちゃうかも。と諦め混じりにいた時、声がかかった。

「あっ、アイちゃん。ゴメン。全然気付かなくって。すぐ用意するから、お茶でも飲んで待ってて」

と私に気付いて慌てて着替えに部屋に走るガンちゃん。

そんな風に言われると怒れないじゃない。ガンちゃんてばずるいんだから。

ガンちゃんの家なのに知ってしかるべきかな、自分のマグカップを取り出し、紅茶を淹れる。

甘い花の香りが鼻腔をくすぐる。
その香りを楽しんでから一口口に含む。

「美味しい」

自分好みの紅茶。
ガンちゃんはコーヒーは飲むけれどあまり紅茶は飲まない。
それなのに、絶えず切らすことなく置かれているそれ。
デートを遅刻される事もしばしばあるけれど、こういうなんでもない優しさが、何気の嬉しい。

「アイちゃん、ゴメン。待たせて」

慌てて部屋から出てきたガンちゃんはシャツにジーンズをちょっと着崩した姿で現れた。

ちょっとした事なのにそれが妙に大人びて見えてかっこいい。

だけど、ガンちゃんは、
「アイちゃん、そのワンピース姿。すっごく可愛いよ。まぁ、アイちゃんは何着ても似合うけどさ。でも、あんまり可愛くなると、敵が増えて困るんだけどね」

そんな事を言う。
いつだって追っかけてるのは私の方なのに。
「それは私のセリフよ」

「じゃあ、お互い様かな。」

そう言うガンちゃんに、

「そうね。お互い様ね」
そう言って笑いかけた。

するとガンちゃんは私の手をとって玄関に向かう。

「じゃあ、今日のアイちゃんは俺が独り占めだな」
ご機嫌にそう言いながら、私にとびっきりの笑顔を向けた。
なんだか、こういうところが愛しくて、きっと、これまでも、これから先も離れる事なんて出来ない。

ずっとずっと好きな人。

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