小説部屋─如月─
□君の居場所
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なんていうか、すっげえ大人気ない事だと思うんだ。
だけど、これだけは譲れないって思うものが誰にでもあったりするわけで。
俺にとっては、メカをいじる事も大切だけど、何よりもアイちゃんが大切なんだ。
なかなかそれが伝わらなくて、アイちゃんが来た時にメカをいじっているとアイちゃんが気をきかせてキッチンにお菓子や飲み物を取りに行ってくれるんだ。
それはすごく嬉しい。そんな風に気を利かせてくれて、いろいろ考えてくれてるんだと思う。だけど、そんな事よりもアイちゃんに側にいて欲しいんだ。
だから、アイちゃんが今日来たら、まず先に俺が気付くようにオボッチャマに合図をしてもらって、アイちゃんに笑っていうんだ。
「いらっしゃい」って。
そんでもって今日はどこへ遊びに行こうかなんて話をしたりしてさ。
アイちゃん、お出掛け大好きだから、喜んでそんな話にのってくれると思うんだよね。
そして、いつも代わり映えのない話をして日が暮れるまで一緒にいるんだ。
まぁ、つまりはアイちゃんがいればどこだってなんの話だってなんだっていいんだけどね。
おっ、話していれば。
「ガンちゃん」
呼ばれて、俺は満面の笑みを君に返すだろう。
そして
「いらっしゃい。アイちゃん」
ココが君の居場所でいつでもあるように、この言葉で出迎えよう。
君のいる場所帰る場所が俺の側であるように。