Recreation
□ドッグ・タグ
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『クリスさん、これなんですか?』
紫蓮はテーブルに置かれている
ドッグ・タグを手にとって見ている。
『名前と血液型、所属とか書いてありますね。』
『迷子札みたいなものだな』
『迷子って、クリスさんが?』
紫蓮は笑って言う。
『もしもの事があった時、それがあれば身元がわかるからな。それが家族に届いたら、俺は死んだって事になる。。』
『えっ。。』
紫蓮は不安そうに俺を見つめてくる。
『死んじゃダメですっ。クリスさんが死んじゃったら私生きてけないです。。』
『あぁ。。紫蓮には届けたくないな。。』
『クリスさん。。』
俺は紫蓮を抱き寄せた。
『生きて帰ってくるから。』
『約束ですよ。』
たとえ何があっても必ず紫蓮の元に帰る。
そして、待っていてくれる人がいる幸せ。
俺は紫蓮を1人残して死なない。
『あぁ。約束だ。』