Recreation 2


□手と手
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約半年前ーー。

久しぶりに休みが被り、俺は紫蓮と出掛ける事にした。

外は晴れて、もう夏。

『ねぇ?』

紫蓮が呼ぶ。

『どうした?』


紫蓮は答えの代わりに、俺の手を握ってきた。

『一緒に歩いても良い?』

『あぁ。構わないさ。』

『ありが……とう。』

紫蓮は恥ずかしそうにつぶやく。

『なんだ?恥ずかしいのか?』

『わたし、クリスと釣り合わないから、手を繋いで歩くなんて夢みたいだな。』

『?なんで?』

『わたしなんて、短足、デブ、ブサイク三拍子揃っちゃって……。ジルみたいにイケイケ美人でもない。強くもない。一般人だし。』

『馬鹿。紫蓮は紫蓮なんだ。俺が好きなんだから、気にしない。』

『うん!』

紫蓮はニッコリと笑い、俺の手をギュッと握った。


この暖かい手を守ると決めた瞬間だった。
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