Recreation 2
□眠れぬ夜
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ある日の夜。
俺は夢を見た。昔から何度も見てきた悪夢。
その度に俺は1人うなされていた。
そして今夜も。
夢の中で俺は銃を手に、戦っていた。
敵は、俺が今まで救えなかった隊員や、仲間。
仲間だった者たちが、敵となり襲い
俺を殺そうとする。
きっと仲間たちからの怒りなのだろう。
任務の中、B.O.Wと変貌し、涙ながらに俺は銃を撃った事もある。
その記憶や思いが夢となり俺を苦しめる。
『ちょ……クリス!大丈夫?』
俺は殺される瞬間、紫蓮の声で目を覚ました。
『うなされてたよ?汗ヤバいじゃん……』
紫蓮は心配そうに俺を見つめてくる。
『大丈夫だ。なんでもない。』
『絶対に大丈夫じゃないでしょ?』
『気にするな。』
俺はありがとうと言い、紫蓮を撫でる。
しかし紫蓮は納得がいかないみたいだった。
『大丈夫って言う人程、大丈夫じゃないんだよ。クリス、隠し事しないでよ。心配してんだよ。』
『ごめんな。』
俺は今まで見てきた悪夢を紫蓮に話した。
『俺は、大切なものも守れないのかもしれないな。この手で殺した仲間もいる。』
『……クリス。』
『殺すしかなかったんだ。仲間を楽にしてやる方法は。理性を無くして襲いかかってくるが、仲間には変わりなかった。でも俺は自分の為に仲間を……』
『クリスは、悪くないよ。わたし、クリスに守られてるよ。クリスのこの手が何度、血に染まったって、汚れてなんかない。』
紫蓮は俺に抱きつく。
『俺は、この手で紫蓮に触れてはいけないと思っていた。』
『ばか!クリスの手は綺麗じゃん。たくさんの人を守ってきたんだ。わたしは大好きだよ。』
紫蓮は俺の手をギュッと握る。
俺は自然と涙が流れるのに気づく。
泣いたのなんて何年ぶりだろうか。
『たまには、泣くのも大事だよ。クリス。今まで、たくさん頑張ったから、今があるんだよ。』
紫蓮は微笑むと、俺の頬に手をやり、涙を拭ってくれる。
『わたしがいるんだから、泣かないの。わたしは、クリスを殺したりしないから』
紫蓮はニカッと笑う。
俺もなんだか心が晴れたようだった。