Recreation 3


□お迎え。
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わたしは駅で待っている。

クリスが長期の出張から帰ってくる日。


わたしは電車が着く1時間前から改札の前でクリスを待っている。

あえて、メールはしない。
驚かせたいから。


『まだかなぁ〜。。』

電車が着いては人が改札を抜け、クリスを探すが一向にクリスの姿は見つからない。
それを何度も繰り返した。


それから20分程して、再び沢山の人が改札に向かってくる。

その群れの中にクリスはいた。

なんか、顰めっ面をしている。
早くタバコを吸いたいのだろう。

わたしは改札へ近寄る。

『クリス!』

『…………!』

クリスは驚いた様にわたしを見た。

『紫蓮?!』

『クリスーー。おかえり!』

わたしは改札を抜けたクリスに抱きついた。

『ただいま。迎えに来てくれたのか?』

『まーね!』

『3カ月、大丈夫だったか?』

『うん!』

クリスはわたしの頭を子供を褒めるように撫でた。

『紫蓮が無事で良かった。』

クリスの優しい微笑みにわたしは照れくさくなる。

『寂しかったか?』

『いじりがいのある、おっさんが居なかったからね。』

『帰ってきていきなり、おっさん呼ばわりか……』

『いいじゃん。さ、買い物して帰ろ』

わたしたちは、部屋に戻ることにした。
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