Recreation 3
□二人の時間 4
1ページ/1ページ
『え……なんだアレ』
『なに?あそこになんかあったの?』
『ん……?あれ?いないぞ』
『なんも居ないよ。』
『いたんだよ。見えないのか?紫蓮は?』
『なんも見えないよ?クリス、どしたの?』
『いや、あそこの隅に、下半身の無い、女の子が這いずってたんだが……』
『えっえっ?やめてよっ!』
『カサカサって、腕を動かしていた。』
『クリス、脅すのはよろしくないよ?こんなレンタルショップにお化けなんてさ。』
『俺はみたんだよ。』
『残業やら、訓練やら、ゲームで疲れてたんでしょ?幻覚だね。』
『幻覚じゃない。いたんだよ、そこに』
『真剣な顔して言わないで。怖いから。』
『俺は昔から多少の第六感があるからな。紫蓮、信じてくれ!!』
『てか、店ん中で騒ぐなよー、お客さん見てるし。』
『仕方ないだろ。久しぶりに見えて怖かったんだから。』
『ゴキブリとお化けが怖いなんて、乙女すぎだろ。』
『べっ……別に怖いとは言ってないだろ?苦手なだけ。』
『絶対怖いんだよ、このおじさん。』
『怖くない。俺は強い。』
『はいはい。意地張らなくて良いから。てか、これ見ようよ。』
『ん……?ほんとにあった…呪いの…DVD?』
『ホラードキュメンタリーの最高峰だよ。それの新作!』
『ん……あ、あぁ。紫蓮と観てやるよ』
『絶対、怖いんだよ、このおっさん。』
『怖くない!さ、早く借りて帰るぞ。早く見たいだろ?第一、この店変な感じするしな……!さ、レジに行く』
『クリス、汗かいてるし。こんなDVD見たら泣くんじゃないの?一人でゾンビの出る洋館で生き延びたくせに。生きる伝説のくせに。』
『紫蓮、意地悪だなぁ。』
2人の時間 4 えんど。
『クリス、怖がりだろー。』
『紫蓮はどうなんだ。怖いものもあるだろ?』
『夜中勝手に騒ぐおっさんと、銃を寝ぼけて撃つおっさん。』
『あれは、ゴキブリのせい。』