Recreation 3
□明日の事は分からないから
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夜、わたしはクリスとお酒を飲みながら、テレビを見ていた。
見ていた番組が終わり、キリが良かったからわたしはテレビを消した。
『もう、寝るのか?明日休みだろ?』
『まだ寝ないし。ただテレビはもう良いや。』
わたしはタバコに火をつけた。
『クリスとの時間は大切にしたいし。』
『紫蓮、珍しい事言うな。オヤジキャラのくせに。』
クリスは意地悪な子供の様に無邪気に笑う。
『オヤジだけど、わたしだって、そんな事言う事もあるの。クリスと話したい事もいっぱいあんだよ。』
カチャっとクリスもタバコに火をつける。
『じゃあ、話してくれ。』
クリスはわたしを真っ直ぐ見つめ、話を聞く体制になる。
『ちょ……そんなさ、真剣な顔しないでよ。話にくいし。』
『じゃあ、気がむいたらで良いさ。俺はそしたら、ゲームやろ。』
『夜中にかよっ。ま、見てよー。』
クリスはタバコを咥えたまま、ゲームのスイッチを入れる。
わたしはクリスを横目で見る。
ゲームをやって楽しそうにするクリス。
それを、わたしは笑いながら見る。
『ね、クリス?』
『ん?話す気になったか?』
『こんな、幸せ、ずっと続くかな?』
『……?』
クリスはわたしを見て首を傾げる。
『クリスと居られる日々は続くかな。こんなテロばっかな世の中で、明日の事なんて分からないからさ。』
クリスは微笑むと、無言でわたしを抱き寄せてくる。
『明日の事は分からない。だから、こうして今があるんだ。』