黄昏時に伸びる影(合同小説)
□幕切れ
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「誰がこの魔物を連れてきた?」
「はいはーい! アタシアタシ!」
ザントの問いかけにメランが元気よく答える。
本当にブレないなお前……。
思わず張りつめていた力が抜ける。
周りの視線もメランに集まり、俺からは注目は一気に逸れる。
さすがのアカリもまずいと思ったのか、メランの口を塞いだのがちらりと見えた。
むぐむぐと苦しそうな声を出すメランを見、ふと違和感を覚える。
レイドが声を出さないのだ。
ちらりとレイドの方に目をやると、ザントの前に跪いたままピクリとも動かず、その姿は宛ら人形のようで。
そういえば先程、レイドはザントに作られたのだと言っていたな。
それにレイドはザントのことを慕っていたようだった。
会えたことに感激しているのか??
それとも、恐れているのか??