結界師

□共に
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「結!滅!」
あーー!ようやく妖を退治出来たぜ!今回のはちょこまかと逃げてたから、手こずったぜ。
今日時音が休みだ。インフルエンザに掛かったんだってさ。情けねー。
けど、良かったぜ。今日は校舎が破壊されていない!
「………おい墨村」
「ん?」
「どうせ暇だろ?」
「まあ………」
「なら少し付き合えよ」
「?」
珍しいな、志々尾がそんな事言うなんて。まあ、良いか。



何でかプールの所に来させられた。
「どうした?」
「………なあ、このプールの水を、結界で持ち上げて見ろよ」
「お、おう」
俺は言われた通りに、全ての水を結界で持ち上げて見た。
………これ、結構来るな。石よりかは重くねえけど。重い。
「……どうだ?」
「………結構腕に来るな。重い」
「まあ、個体と違って液体だからな。もう戻していいぞ」
一体志々尾は俺に何をさせたいんだ………?
俺はプールの水を元に戻して。
「………お前のその結界。液体物は苦手みたいだな」
「だってそんな敵とは合わねえし」
「………妖を甘く見るな。どんなのが攻めて来るか、分からねえだろ」
まあ、その通りなんですけど………。
「なあ、もしかして修行でもしてくれてんのか?」
「………お前が弱いと足手まといだから」
「なっ!この野郎………」
って、ここで怒ってもしょうがないか。俺はため息を付いて、志々尾の所に近付いた。
「じゃ、次は俺がお前に修行でもしてやろうか?」
「要らんお節介だな。俺は毎日一人でやってる」
あ、っそう………。本当に冷てえ奴。
「………けど、」
「ん?」
「……お前が結界を沢山作れ。スピードを付けたい」
「あー、もしかしてあれか?亜十羅さんと一緒に戦った時の………」
沢山結界を作って、その中を志々尾が何度も行ったり来たりしたっけ。けどあの時は時音が居たからな………。まあやってみるか。
「良いぜ?なら、屋上行くぞ」
「………ああ」
とにかく高い所に行かねえとな!



んで、俺は言われた通り、沢山結界を作った。そこを志々尾が何度も飛び回る。俺は急いで小さな結界を作らないといけないので、追われていた。
「………」
あれ、志々尾の野郎、止まりやがった。
「どうしたー?」
「いつから俺のスピードに付いて来られたんだ?俺、あの時よりかは、かなり早くしてるつもりだけど」
あー………。だって毎日俺だって修行してるからな。
「日頃の成果?」
「………そうか」
「ん?」
「今日はもう、終わりだ」
何だ、早いなー。
志々尾が屋上に来た。
「………………変な気持ちだ」
「ん?」
「清々しい」
「………そっか」
コイツのこんな顔、初めて見たな。
すっげー嬉しそうな、笑み。
「……なあ志々尾。お前さ、明日でも良いからウチに来いよ」
「………」
「そ、そんなに睨むなって!ほら、またケーキとか食ってほしいしさ」
「………実験台か?」
「違う違う!日頃の感謝の意を込めてだな………」
「………考えておく」
そう言って志々尾は、屋上から降りてしまった。
後、もう少しなんだけどな〜。距離的に。まだまだって、所か。
「あーら、いつまでそんな所に居るのよ」
「斑尾………」
「ほら、帰るわよ」
「………だな」
帰って寝ないとな。明日も学校だ。


志々尾との距離が、後数センチって言う所まで来られた俺は、上出来だよな?
これからも、頑張らねえとな!











END

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