*蒼の夢*
□闇の中でまた会いましょう?
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「あははは!待ちなラグナ=ザ=ブラッドエッジ!」
「くそッ!ついてくんな!」
地下廃棄施設に続く道にて、一組の男女が追いかけっこをしていた。
1人はSS級犯罪者として多くの者に狙われている―ラグナ=ザ=ブラッドエッジ。
もう1人は黒いエナメルの服を着た若い女だ。
彼女は宙に浮いた状態で、掌から閃光弾のようなものを放ちラグナを狙っている。
狂気に満ちた眼差しと愉悦を現す笑みは、ラグナの反応を面白がっているかの様。
(ただの咎追いじゃねえな、どこまでも追いついて来やがる!)
「ほら、もっと早く逃げないと怪我するわよ!」
女の猛攻は激しさを増した。閃光弾はラグナの右に直撃し爆風を発生させるも、彼はそれを軽く薙払う。
「当たるかよ!この馬鹿がッ!」
「馬鹿はどっち?ただ逃げるだけでこのアタシを出し抜けるとでも?
SS級犯罪者とやらも案外腰抜けなのね」
「───!」
女の挑発が勘に障ったのか、ラグナは逃げるのをやめ女に向き直る。
その行動に満足した女はふわり、と着地し、腰に束ねていた鞭を伸ばす。
2人からは殺気立った空気が醸し出される。
「テメエ、いい加減うぜえんだよ。さっさと消えろ!」
「嫌よ。少しは遊んで頂戴」
ブラッドサイズを振り下ろすラグナだが、女は軽々と後方に下がる。
そのまま鞭にラグナに向けて飛ばすも、サイズに跳ね返された。