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□夏祭り
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神社の境内を過ぎて見晴らしの良い所へ行くと、タイミング良くドーンと花火が鳴る音が響いてきた。

ここは穴場らしく二人以外に人影は見当たらなかった。


「綺麗だよ。見ているかい?承太郎」
「‥ああ。綺麗だ」


そう承太郎が言いながら見ていたのは夜空に舞う花火ではなく隣でキラキラした瞳で花火を見ている花京院だった。

「僕じゃなくて、花火を‥」
「俺は花火を見ているテメェが見てぇ」

困っている花京院を承太郎の碧色の瞳が映しだす。
承太郎の真剣な眼差しに気負けしたのか、ふぅ と一息息をつき、花京院は承太郎のぽってりとした厚い唇に自身の唇を重ねる。
数秒間、二人の周りだけ時が止まったかの様だった。
ドドーンという花火の音で二人の周りの止まった時は動き出した。
同時に花京院はそっと唇を承太郎から離した。
顔を真っ赤にして、そっぽを向きながら承太郎へ話しかける。

「…‥これはさっきのゲームのお礼だ」
「‥ありがとよ。嬉しかったぜ」

そこで会話が途切れると、どちらからともなく手を握った。
夏休みの晴れた日の夜に空には花火が咲き、
二人の間にも笑顔の花が咲きほころんでいた。



fin


昨日、夏祭りで花火があったので記念に書きました。
いいですね。。こういうの(*´︶`*)
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