短編

□あの時からずっと
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忍術学園の保健委員会には、くのたまがひとり所属している。

名前は、三山詩紀。

ここに入学して三年経つが、詩紀は一年生の頃から保健委員会にくのたまとして所属していた。

理由としては、その当時、保健委員会が深刻な人手不足でくのたまに1年だけ、という条件で下級生からランダムに選ばれたからだ。

しかし、実際に詩紀が保健委員会に所属すると、その手際の良さと物覚えの良さが重宝されて、三年生になった今でも所属させられているというわけだ。

さらに、詩紀はあまり素直な性格ではないのだが、たまに出てくる“デレ”というやつが可愛いらしく、保健委員としては手放したくないらしい。

詩紀がいると、なんとなく手当てされたいとか苦い薬も頑張れるとか、彼女の知らないところで人気があった。

ひとつ年下の川西左近もツンデレで有名だが、彼も彼女の前では何故かよくデレる。
このツンデレコンビが可愛いと、一部では言われていた。

そんな彼女目当てでくる忍たまは少なくない。

一時期、彼女が当番の日にわざと怪我をするというやつがいた。
そういうことがあって、詩紀の当番はランダムだ。

いつ彼女が保健室にいるのかは、保健委員会と保健医の新野しか知らない。

そういう対策をしているはずなのに、何故か毎回詩紀が当番の日に来る忍たまがひとりいた。
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