短編
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詩紀が忍術学園に入学してから、四年の歳月が過ぎた。
その間に、弟の三木ヱ門が入学してきたり、その同級生がかなり変わっていたりと、詩紀はわりと毎日が楽しかった。
そんなある日のことだ。
詩紀は、いつも通り常盤と一緒に校庭を散歩していた。
今日は、暖かい日だから、歩いているうちにだんだん眠くなってきていた。
「むー…ちょっと、お昼寝しようか、常盤」
そう呟いて、詩紀は木陰に座り込んだ。
常盤を大事そうに抱えて、ゆっくり目を閉じる。
あとはもう、夢の中に旅立つだけだった。