短編

□赤花姫(前)
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昔々、あるところに小さな村があった。

その村には子供が少なく、片手で数えられるくらいしかいなかった。

だから、子供ひとりひとりが大事に育てられているはずだった。

しかし、あるひとりの娘だけは大事にされなかった。

ある時は殴られ、ある時は火傷を負わされ、ある時は殺されかけた。

そのせいで、その娘の身体は傷だらけだった。

なぜ、そんなことをされるかというと、娘の髪と瞳が生まれつき真っ赤に染まっており、鬼子と呼ばれていたからだ。

そして、娘が13歳になった時のことだ。
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