長編

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同室にして、親友である絣鑪に非常に心配されながらも、課題の日は近づいてくる。

気がつけば、前日の夜になっていて、霧花はこれまでに一度も会わなかった課題に付き合ってくれると言った綾部喜八郎のことを考えた。

本当に、なぜ初対面である自分に付き合ってくれるのか。
あの時は、聞けなかったが、明日には聞いてみようと思った。

もし…こんなことは考えたくないが、手伝ったのだから、金をよこせなどと言われたら。

滝夜叉丸の同室で、多分友人である喜八郎は、そんなこと言わないとは、思う。

ただ、霧花もお礼くらいはしたいとは思っているが、あまりお金がない。
そのため、大きな見返りを求められたら、困るのである。

床についた後も、ぐるぐると考えていたが、いつの間にか霧花の意識は夢にさらわれていった。
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