長編

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今日、新野が傷の様子を見てくれる日で、彼の許可が下りれば部屋に戻ってもいいことになっていた。

もうほとんど傷は塞がっているし、きっと新野も霧花の気持ちを知っているから、戻ってもいいと言ってくれるだろうと思っていた。

霧花はそわそわしながら新野が来るのを待って、意味もなく天井の木目を数えていると、襖がすっと開いて新野が部屋に入ってきた。

「失礼しますよ」

「は、はい」

新野は優しく微笑んで、霧花の前に座る。

「じゃあ、さっそく傷を見せてくれますか?」

「はい」

霧花は新野に傷を見せると、彼はうんと頷いて再び微笑んだ。

「もう大丈夫だね、傷は塞がっているし、化膿した様子もない。動かして痛みはないかい?」

「はい、痛くないです」

「うん、それなら部屋に戻っても大丈夫。今までよく頑張ったね」

「は、はいっ、ありがとうございました!」

霧花は床に手をついて頭を下げた。

すると、新野は穏やかに笑って霧花の頭を撫でた。

「またなにかあったら、私でも保健委員会の子でもいいから相談しにおいで」

「はい、ありがとうございます」

「じゃあ、外に友だちが待っていたから、行ってあげなさい」

「はい」

霧花は、立ち上がりもう一度新野に頭を下げると、部屋を出た。

そして、部屋の外で待っていた人物に笑顔で話しかけた。
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