短編

□甘い罠
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私には、生まれた時から、ずっと一緒にいる子がいる。

彼女の名前は、七松小平太。

男みたいな名前だけど、れっきとした女の子だし、明るくて可愛い小平太は、男子にモテる。

逆に、私はいわゆる平凡、いや、地味といった部類の人間で、親同士が仲良くなければ、小平太と知り合いにすらなれていないだろう。

そんな私は、よくクラスメートに、釣り合わないのに、なんで一緒にいるのだと聞かれるけど、そんなのこっちが聞きたいわボケ。

私は、別に小平太にベタベタするつもりも、一緒にいたいと思ったこともないが、あっちが私の方に来るのだから、仕方ないだろう。

ある時、小平太は私立の中学校に行くかもって言うから、私はあえて公立の中学校に行くって言ったら、

「じゃあ、私も」

って。

なんじゃそりゃ!
自分の進路は、自分で決めなさい!

高校だって、小平太に秘密にしていたのに、お母さんが話しちゃうし、大学も、似たような感じだ。

小平太!
お前は私のストーカーか!

そんなこんなで、望んでいなくても、小平太は私のすぐ近くにいる。

一度、ガツンと言ってやりたいのだが、やっぱり幼馴染みということもあり、なんとなく甘やかしてしまうのだ。

というか、小平太はよ彼氏つくれや!
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