その他


□蔵馬の制服事情
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“TWO SHOTS”を前提とするのであれば、彼は私服の学校に制服で通っていたらしい。
(注:ちなみに私はこの話をあくまで番外編と捉えておりますので、小説には反映させていたりいなかったりです。この話の中に出てきた事を全部取り込むと、原作の物語でも矛盾が出てきたりしますし……飛影の年齢とか)

『そもそも公立の中学で私服OKなんてトコあるの?』という疑問はとりあえず置いといて。
『なんで制服?』という話を。



小学校は普通に私服で通っていた模様。逆玉手箱の時に私服でランドセルっぽいものを背負ってる絵があったし、志保利さんに怪我させた時も私服でただいまーって帰ってきてた。
まぁサイズの関係もあって明らかにではあるのですが、制服は中学に入ってから着始めたものな訳だ。

じゃあいったいどっから調達してきたのか?

ストレートに考えれば、南野の両親が買ったものになります。
でも、私服の学校に通わせるのに、わざわざ制服なんて買いますかね? これホント“わざわざ”になっちゃいますもん。
ぶっちゃけ制服って高いでしょ? ウン万円する。
私服の学校ってことは、これ完全に超無駄遣い。元々持っていた制服を来ていくならまだしも、買わなくていいものを何万も掛けて購入ってのは庶民の感覚では考えられません。庶民なめんな節約の鬼じゃボケぃ。
南野家が裕福だったのならアリですが、特にそういう描写もありませんしね。


という事は。
家にあったんですよ、きっと!
私の出した結論は『南野父のおさがりではないか』というもの。

蔵馬は登場時、『父親は少し前に死んだ』と言っています。この『少し』というのが千年生きてる彼の言葉なのでどの程度を指すのかイマイチ量りかねますが、人間社会で密度の濃い人生を送っている真っ只中なので案外人間の感覚のそれとあまり変わらないものと考えてる。
ただしこの『少し』があんまり短いと、志保利さんが“夫と死別してすぐに次の良い人を見つけ傍目にも両想いとわかるような関係に発展させた薄情な女”になってしまうので……それはイヤなので。だいたい半年から一年くらいが妥当かなと思っています。


ちょっと脱線しましたが……
となると。当然、秀一蔵馬が中学に入った頃にはまだ生きていた事になります。
部屋の掃除か何かしていた時に古い制服が出てきて、『秀一、ちょっと来てみたらどうだ? おおっ、ぴったりじゃないか!』みたいな展開になって。

蔵馬は蔵馬で、当時は低級妖怪共からしょっちゅうちょっかい掛けられてて襲ってくる奴らを手当たり次第に始末してたので実はたまーに怪我とかもしてて、でも真っ黒な学ランを見て『……これ、誤魔化すのに丁度いいな』と血が付いた時に目立たない所が気に入っちゃって。
『父さん、コレ貰っていい?』
『うん? なんだ秀一、これで通いたいのか?』
『この方が中学生って感じがして気が引き締まるから』
などと狐お得意の嘘をしれっと吐いて(出血誤魔化し用)制服ゲット。


蔵馬が“制服”というものを気に入ったのはそれだけじゃなくて。
魔界時代はいつも気を練った白装束を身に纏っているだけだったので“着替える”習慣が彼には根付いていない。だから毎朝毎晩パジャマから洋服、洋服からパジャマへというのが何気に煩わしかった。
というか、服を選ぶのが面倒臭かった。

しかも!
アニメ最終回を観る限り、彼には服選びのセンスが無い!
美術2の私に『センス無し』と言わせるんだから相当ですよ。由々しき事態(←人のこと言えない)
原作で着ている私服が極シンプルなものばかりなのも、この辺りに理由があるのではと考えられます。原作の服装は凄い色気がありますね……これが冨樫のウデというやつか。

まぁそれはさておき。


こういった事から、蔵馬は制服を愛用していたのではないかと思っております。
血が誤魔化せるのと、選ばなくていいから。
実に妖怪らしい理由と実に人間らしい理由で、憑依して以後の意外なヌケっぷり(頭良いわりに騙されたり油断したりしすぎ)と相まって良いなぁと思うんです。



私はこんな感じの“全然完璧じゃない、むしろ隙ありまくりの蔵馬”が好きなんです。

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