★コアラの部屋
□優しい木漏れ日
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「おらとアラシヤマが?一緒に遠征だべか?」
「だから、さっきからそう言ってるだろ?」
「なんで、わてらなんどす?」
総帥室に呼び出されたのは10分前。
資料を見ながら、次の遠征先と状況について、シンタローとキンタローは二人に説明していた。
コージからの告白から、約10日が経っていた。
「だから、さっきキンタローが言ったろ」
「昔のデータを見ていたんだが、アラシヤマとミヤギは以前R国に遠征に行ったことがあるだろう?
今回の任務もそう以前のものと変わらないからな。経験した者が行って指揮を取る方が効率がいいだろう」
キンタローは二人を任命した理由を淡々と説明した。
「いや、せやかてそれ、いつの話しやと思うてます?」
「おら達が士官生の頃の話だべ」
そう。キンタローが言っている話しは、つい最近のことではなく、何年も前の任務、
それも部隊に加わっての実地訓練的なものだ。
「なんだ、できないのか?俺は簡単な任務だと思っていたんだが」
「なんだよ、お前は俺の命令断るわけ?」
二人して脅しにかかる。
命令はいつもこんな状況だ。
行けと言われれば行くが、もっと言い方もあるだろうに。
口には出せないが、二人は思っていた。
「へえへえ、行きますよって」
「いつからだべ?」
「んー、そうだなぁ、早えー方がいいし、明日からでも行けよ!」
ひらひらと二人に命令書を渡してきた。
ご丁寧に、二人の名前と遠征の日取りがすでに記載されていた。