Dreams

□触れて欲しい、君だけに ♡
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今日の昼休みの出来事がずっと俺の頭を悩ませている。



食堂で昼食を食べていた。
背中向かいに座っていた、校内でも軽いイメージのあるサッカー部の連中であろう、何人かの男子が話しているのが聞こえてくる。

「最近暖かくなったからさー、女子のスカートが短くなる、いい季節だよな!」
「分かる分かる!あの見えそうで見えないギリギリのラインってーの?たまんねぇよなぁ…」

なんて品のない会話だろう。

確かに最近の女の子はスカートが短いなって、俺も男だし意識してしまう事はあっても、なるべく見ないようにしている。
そんな風に話のネタにされるのは、見られている側も嫌だろう。
別に、そういう目で見られたいから短くしているのではないんだろうし。

「あっ、俺あの子めちゃ可愛くてタイプなんだよな…ほら、今券売機のとこ並んでる。足キレイだよなって。」
「あぁ、あの子男テニのマネだよな。」

そこまで聞いて、ギクリとした。
喉に急に食事がスムースに通らなくなる。

「彼氏いんのかな…いるだろうな…俺結構気になってるんだけど。」
「えっ、お前知らねえの?テニス部の部長と付き合ってるって噂。」
「はぁ!?マジで!?それ本当なら俺の出る幕ねぇよ。」
「そうじゃなくてもねぇって!」

「しかしテニス部の部長ってテニスも強くてイケメンで、可愛い彼女もいるなんてどんだけ恵まれてんだよ!どれか一つ分けろっての!」

「ハハハハハ…」

本人が後ろに居るとも知らないで、サッカー部員たちがそれはそれは楽しそうに噂話を繰り広げる。

イライラした。
俺の大切な彼女がこいつらのそういう目に触れるなんて、たまらなく嫌で。



『テニスが強いイケメンってもしかして俺の事?それで、俺の彼女がどうかしたのかい?』

一部始終話を聞いていた俺は立ち上がって振り返り、そう言ってやる事が出来れば良かったが、行動には踏み出せない。
とにかく釈然としない気持ちでいっぱいで、そこからしばらく動くことが出来なかった。


君は可愛いから、他の奴がそう思っても仕方がないけど、なんだか気に食わない。





2人きりの部室。
制服姿の君のスカートから伸びる君の細くて色白の脚を見て、その事を思い出してしまったんだ。
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