Dreams

□ U ♡
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『ちょっと来て…?』

幸村くんは私の手を引き、そのままベッドに押し倒した。
このとても広くて高さのあるベッドに深く埋もれていってしまって、もう自力では絶対に抜け出す事が出来ないような、そんな感覚がした。

『ねえ、少しは意識してくれてた?』

驚きを隠せない私の口は又も塞がれ、鼻腔はカモミールのほのかな香りで満たされる。

私の横髪を掻き上げるように優しく撫でる幸村くんの右手とは裏腹に唇は激しいキスの嵐。それにかかれば私の唇も、舌も、すべてが性感帯となってしまったかのように恐ろしいくらいに感じてしまう。
こういう風な事をするの、もちろん意識もしていたし期待もしていた。だけどそれはとても言えないから、代わりに幸村くんのキスを、その柔らかくて器用な舌を欲するがままに自分の舌を絡ませる。
唇から溢れる厭らしい音と、くぐもった吐息混じりの甘い声が脳内に響いて、どうしようもなく気持ちいい。

キスをしながら、幸村くんは右手で自身の制服のネクタイを緩める仕草を見せる。

『このベッド、ふかふかで寝心地いいでしょ?こうして2人で乗るとさ、より重みがかかって、君の事完全に捕らえちゃった感じがするな。』

いつもの優しい色は無い、だけどどこか艶麗な色が滲み出るその目つきに私は興奮を覚えずにはいられない。
こうして密着していると、幸村くんの既に膨れ上がったそれがスカートの上から私の敏感な部分に時折軽く触れるだけで声を漏らしてしまいそう。
一度そっと私の頬に触れた右手は、首からデコルテを通って制服のシャツの上から私の胸を包み込む。

「ん……ぁっ」

やがて片手でするりとネクタイを解かれ、シャツのボタンに手が掛かり、一つ、二つ…とボタンを外した所で手が止まったかと思うと、そっと私の肩に優しく触れた。

『緊張してる?』

彼の言う通り、気付けばかなり肩に力が入っていた。

『俺も、大好きな君に初めて触れるの、すごく緊張してる。君を傷つけてしまったらどうしようって、躊躇する気持ちもあるんだ。だけど、君に触れたくて仕方ない。』

私の肩をゆっくりと撫でながらそう話す表情は、いつものふわりと優しい表情だった。既に彼の優しい指先や艶やかに変化する表情に翻弄され興奮の高まりを感じている。

『君も、俺を求めてくれてるのかなって、そのとろんとした目を見ていると、勘違いしちゃいそうになるんだけど、いいのかな?』

幸村くんの言う通り…私も、触れられたい。そう答える代わりに努めて肩の力を抜いた。やがてシャツのボタンは全て外され大好きな彼の前に私の下着姿が露とされてしまう。

『水色、可愛い…俺の好きな色。』

幸村くんは私の胸を揉み、下着からはみ出る乳房にチュッと軽く吸いつくようなキスをしてぺろりと舐めた。
下着の上から私の敏感な突起を探すように指でなぞる。その姿を見て、花に優しく触れる、先程窓際で想像していた姿を重ねてしまった私はなんていけないのだろう。

『下着姿がすごく可愛いから、このままでもいいんだけど…でもやっぱり、脱がせちゃおうかな?』

ふっ、と口元だけ笑みを見せると、右手を背中に回しホックを器用に外す。
幸村くんは、初めてじゃないのかな…、なんだかあっという間に私だけ脱がされてしまったから実は、慣れてるんじゃないかって不安になってしまった。

「あのね…あんまり、自信ないからじっくり見ないで欲…ぁ…んっ」

言い終わらないうちに彼の手は直に胸に触れる。

『そういうの、気にするのが君の可愛い所だよね。』

幸村くんの手の大きさに包まれてしまう私の胸。ふふっとからかうように笑ってるんだけど、ちょっと物珍しそうに私の胸をふにふに愛でてくれる幸村くんが愛おしい。

『すごく柔らかい…マシュマロみたいだ。もう食べてしまいたいな。』

持ち上げるように優しく揉みながら、私の胸に指を沈める。
最も敏感な場所は、すでに感度が最高潮に達しているであろう。そこを幸村くんの指が優しく摘むように刺激すると、思わず身をくねらせてしまう。

私のその部分に顔を近付け、今度は自身の舌で、周りから、中心に向かってゆっくりと愛撫する。コロコロと、柔らかい舌が器用に私の硬いところを転がす。

「…んっ…ゃぁあ…っ…」

胸元に視線をやると、艶っぽい上目遣いで私の顔を見る彼と目が合ってドキリとした。舌が私の敏感な所を優しくねっとりと舐めまわす、その姿を見て視覚からも興奮が起こる。

『…すごい、君のここ、こんなに硬くなって…ん…おいしい…』

たまにジュプッといやらしい音を立てながら吸われると、ぞくぞくとした快感を感じて思わず顔をしかめてしまう。そんな私の反応を見て、更に器用に舌での愛撫を続け、何かを企んだような目つきで私の目を見ながら、右手はゆっくりとスカートの中へ。
もはや下着の意味を成していない程に自分の液が溢れ出しているのであろう感じがしていた。きっと軽く触れただけでそれがばれてしまったのだろう、下着を外される。

『下着までこんなに濡らして。早く脱がせてあげないと、びしょびしょになってしまうよ。』
「や…っ、…恥ずかしい。」
『…恥ずかしい?』

下着を外されると、恥ずかしくてぎゅっと閉じてしまっている私の両膝を無理矢理こじ開けられる。やっぱり相変わらず余裕に満ちているように口元だけを笑わせて『ここ、見せて…?』なんて言ってくる。

『君のいやらしい液でいっぱいになってるね…?』

幸村くんは既に私のそこを潤わせているねっとりとした液に指を絡ませ、最も敏感な部分を探る。そこが見つけられてしまった時にはビクンと体が素直に反応してしまった。
興奮で膨らみを帯びたその部分をゆっくり、指で転がすように刺激する。私の顔を満悦気味な笑顔でじっと見つめながら、表情の変化や反応を見逃さない。

「んぁあ…っ…!ぃや…ぁっ…」

感じた事のない快楽に身を委ねている自分がいた。

『君のその余裕のない表情、たまらないな……もっと、見せてもらおうか。』

細い指が入口をなぞるとたまらずにまた力が入ってしまい、顔を横に向けてしまった。

『楽にしてって、言ったよね…?』

彼は唇が触れるか触れないかの距離に顔を近付けてそう囁いた。

『嫌…?』

嫌じゃない、もっと…その綺麗な指で触れて欲しい。そんな事は言えるはずもないから、その代わりに努めて体の力を抜いた。

『そう、…いい子だね。』

左手で私の頬を撫で、少しサディスティック気味に細めた目で私を見つめながら、幸村くんはゆっくりと私の中に指を入れる。
私の中の最も感度がいい場所を初めから知っていたかのように、そこを執拗に押さえられ、意識が飛んでしまいそうな感覚に襲われる。ぐちゅぐちゅ…と淫らな音を鳴らして、幸村くんの指が私の中を行き来する。

「んはぁ…っひゃぁあっ…」
『いやらしい音…聞こえるだろう?君からどんどん溢れてきちゃうよ。』

エッチだね…?

そう、耳元で小さく言ってふふっと笑った気がした。
恥ずかしい。だけど私の敏感な部分を弄る細くて長い指がすごくよくて、もう何も考えられない。

『それに君のここ…俺の指をしっかり咥えて離してくれない。もっとして欲しいって事かな…?』

やめて欲しくなくて、自然に締めつけている自分はなんていやらしいんだろう。幸村くんの指が何本自分の中に入っているかもはや分からない。中を掻き回される、今までに到底感じた事のない快感に襲われていた。

「やぁ…んっ…ん…あぁあ…っ!」

もうダメ、そんな言葉が頭の中をよぎった次の瞬間ビクンっと身体が弓なりに跳ねた。身体がぴくぴくと意に反して痙攣している。こんな感じは初めて。
息も絶え絶えに幸村くんの顔を見ると、満足げな笑みを浮かべていた。

『いつもは照れ屋さんな君のこんな表情、見られるなんて。すごく、興奮する。…もっと、見せて?』

私の前髪を掻き上げるように頭を撫で、そっとキスをくれた。

『挿れてもいいかな…?』

彼を早く受け入れたい。そんな淫らな事を今までに考えた事もなかったが、この時ばかりは逸る気持ちで小さく頷いた。

ふと、幸村くんが制服を着たままである事に気が付く。ネクタイに手を掛け、するりと解き、両手で一つずつシャツのボタンを外す。
程よい量の胸筋、腹筋…、思った以上に男性らしく引き締まった身体に見とれてしまい思わず、彼の白く透き通ったその肌にそっと手を触れた。

『…意外に筋肉あるでしょ?』

舐め回すようにじろじろと身体を見ている私の視線に気が付いたのか、ふふ、と笑う幸村くんのその頬も少し紅潮しているようでとても愛おしい。

「幸村くんの…欲しい。」

“照れ屋”な私がこんな事を言うなんて、予想外だったかな。彼は少し目を見開いて驚いた表情を見せたけど、すぐに柔らかい表情に戻って私の頬を撫でる。


『もっと、愛し合おうか。』


頬に軽く触れるようなキスをくれた。


スラックスを脱ぎ去ると、やがて姿を現した彼のそれが私の入口を探る。

『挿れるよ…力抜いて?』

幸村くんはベッドに両肘を付いて、私に覆いかぶさるような体勢で、顔を近付ける。
 
『痛かったら、言ってね…?』

私は努めて力を抜き、目を閉じた。そしてゆっくり最後まで挿入されると、彼はほんの少し顔を歪める。

『ん…っ、君の中、温かい。』

ゆっくりと前後に腰を動かされると、指で刺激され一度果ててしまった部分に、今度は幸村くんの反り返ったものが容赦なく当たる。

『ぅ…っ…はぁ、君の中…すごく気持ちイ…いよ…っ』

動きが段々と激しくなり、私は彼の肩甲骨のあたりに無意識に強くしがみついた。

「はぁ…っあぁっ!…ひゃぁあぁんっ…!!」
『君の…鳴き声も可愛いな…ぁ……は…ぁ、もっと…声、出してもいいんだよ?俺しか聞いてないんだからね…?』

快感に喘ぐなんて、こんな自分は知らなかった。けれど彼から与えられる未知の感覚に酔いしれながら、口からだらしなく溢れ出る嬌声を抑える事も出来ない。

幸村くんはだんだんと動きを緩め、私の体を優しく抱きしめる。

『はぁ…君とこんなに気持ちよくなれるなんて、夢を見ているみたいだ。』

眉間に少し皺を寄せて微かに微笑みながら、息混じりに呟く。
私は、ねえ?、と上体を起こすよう彼を促し、頬へ手を伸ばす。

「私はここにいるから、夢じゃないでしょ?」

目尻を下げ、トロンとした表情の彼は、まだ少し息が荒い。

「幸村くんをこんなに近くで感じられてすごく幸せ。」

『君の手に初めて触れた時…』

頬へ伸ばした私の手の甲を包み込むようにきゅっと握ってそう切り出した。

『顔真っ赤にして、なかなか俺の目を見てくれなくて。そんな君を見て、照れ屋さんだな、って思ったんだ。』

幸村くんは薄い桜色に染まった顔をはにかませ、私の手を取りチュッ、と甲にキスをくれた。

『大好きだよ。』


幸村くんの優しい表情に強張っていた私の身体は完全に融かされたな、そう思ったのも束の間、幸村くんの腰が再び静かに律動を始めると、一瞬にして男の子の表情に戻る。
色気、なんてそんな言葉の意味はまだ理解していないのかもしれないけれど、ちょっと大人びた表情にドキドキする。
始めは少し痛かったけど、幸村くんが私を求めてくれる事がただただ嬉しくて。気が付けば私も幸村くんを全部受け入れて、求めてた。

もっと…もっと…!そう言わんばかりに思わず幸村くんのをキツく咥えてしまう。


『そんな君が、今はこんなに…俺の近くに居るなんて……っんっ…はぁ…っ、そんなに締め付けたらもう俺…っ』

「ぁぁあっ…‼はぁ…もう…ダメっ、…イっく…やぁあっ」

『あぁもう…俺も…限界、……っ!!』



幸村くんは果てた後、眼を薄く開いて軽く俯いたまま、呼吸を整えていた。


次の瞬間幸村くんの身体が覆いかぶさる。
薄い意識の中、耳元で微かに聞こえる吐息と、ふわりとウエーブの掛かった髪のほのかな香りを感じていた。


彼は誰にでも優しい人。けれど、その手から、その指先から、彼の優しさを感じられるのは私の特権。
本当に幸せ。幸村くんの事、もっともっと、大好きになった。

それにしても彼の前では、ポーカーフェイスなどする余裕は全く持てない。彼が私に触れる度、甘い声で囁やかれる度、きゅんと胸が締め付けられ、顔を火照らせてしまう。
私の“照れ屋”なところは、彼と過ごす限りきっと治らないだろう。



『数学の勉強、全然してないね?この後やろうか。 ふふ…もう、そんな気力ない?』












***翌日、テニス部部室にて***

「ん?幸村…背中の傷はどうしたのだ?」

『え…傷?……、あ』
幸村には思い当たる節があった。

「まあ、傷という傷でもないが、なにか跡の様な物が左右均等に付いておるぞ?」


『…ちょっと真田、人の背中じろじろ見るのやめてくれないかな?』
幸村は静かに真田を睨み付け、サッと隠すようにユニフォームに袖を通す。
ああ、すまない…、真田はそう答えた。

「(弦一郎…)」
柳は必死に笑いをこらえる。



「ククッ…神の子さんもお盛んじゃのぅ…」





♡END♡
幸村くんはエッチの時のシチュエーションとかすごく大事にしそうだから、初めてで不安な彼女を安心させる為に、幸村くんは頬に触れたり優しいキスをしたりしてあげるんだろうなって思いました。

最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました!!

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