DonQuixote Doflamingo

□迷い子
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02.宿をくれ




さぁ、意味の分からない状況を無理矢理飲み込み、かなり無鉄砲なことをしようと決意したわけだが、金がない

これはものすごく重大な問題である

わたしの世界の通貨は円で、そもそもベリーなんてものは持ち合わせていない
金銀宝石の何かしらあれば換金できたかもしれないが、港で目を覚ましたときにはすでにジーパンとTシャツ以外に身に着けているものはなかった


……これはもしや身体を売る以外の選択肢はないのか!?

そんな考えが浮かぶが、すぐさま却下する

正直、それだけは最後の選択肢としてでも嫌だ
だったら野垂れ死んだ方がマシだと思う


……それかコロシアムの剣闘士になるか

その考えもすぐさま却下
それは本当に最後の選択肢となるだろう
というか、一試合も勝てず、一撃で死ぬことになるだろうから自殺の手段としてのみ有効である



とは言え死ぬ気はさらさらないのだが
こちとらまだ20代で最低でもあと60年は平凡に暮らす予定だったのだ
それがこんな自分の世界でもなんでもないところで死ねるわけがない

でも、手っ取り早く稼げる娼婦の仕事と剣闘士だけは無理
やりたくないしやれない

我が儘なのは百も承知だが、これは譲れん

しかし、金がなければドフラミンゴを拝むという計画さえ立てられない


ただ、どんな店が家も家族も出生記録もない女を雇うだろうか
……うん、きっとロクでもないとこしかないだろうな



どうにも現状を打破する案が浮かばなくなったわたしはとりあえず目の前に見える広場のベンチへと腰かけた


「……どうしよっかなー…」

ため息と一緒にそんな言葉を漏らす
そして、なす術もなく途方に暮れるわたしの目の前をオモチャと子供が元気に駆けていった

どっからどう見ても平和な国

オモチャがあんな闇を抱えているなんて誰が想像できるだろうか
まさか、今頃はオモチャたちが反乱しようなどとはドフラミンゴもまだ思ってないだろうに……


んっ…!?
まだオモチャがいて、ドレスローザは未だ「平和」である
と、言うことは、まだルフィやローの同盟が組まれる前だということ
一体、今はマンガで言うどのあたりに値するのだろうか……?

今更だが、そんな疑問がわたしの頭に浮かんできた


まぁ、それを知ってどうするんだって話なんだけど
時期が分かったくらいで何かが変わるわけではない

とりあえず、今日の野宿は確定
明るい今の内に雨風が防げる場所を探しておいたほうがいいな





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