DonQuixote Doflamingo
□依存
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01.失くしたもの
「コラソンは死んだ。」
ドフィは無表情のままわたしに言い放った
その言葉は錨のように重く、わたしの胸に突き刺さった
「ウソだ………」
咄嗟に出た言葉は否定するには弱々しい声とセリフだった
だって、ドフィの言葉を受け止めるにも否定するにもわたしはロシナンテのことを知らなさ過ぎたから
どこで、誰によって、何故、そうなったのかわたしには想像もできなかった
この4年間、ロシナンテがどんな仕事をしていたのかほとんど教えてくれなかったのだ
そんな中で一体どうやってロシナンテが死ぬことを覚悟しろというのだろうか
茫然と立ち尽くすわたしにドフィは手を伸ばし、抱きしめた
ロシナンテと会ったのは6年前、わたしの母国が戦争に敗れた直後だった
辺りには瓦礫と死体の山ばかりだったのを微かに覚えている
両親がわたしを逃がすために敵兵に捕まり、殺されて一人で泣いていたところに来たのがロシナンテだった
「身寄りがないのか?………じゃあ、俺と来るか?」
そう問いかけて、当時12歳と幼かったわたしに優しく手を伸ばしてくれた
あぁ…一人になるのは二度目だ
両親とそして大好きだった、愛していた人を失った
ロシナンテはずっと親のようにわたしを世話してくれてたけど、いつしかわたしはロシナンテに恋心を抱いていたのだ
悲しくて、わたしばっかりなんで!?と泣き叫びたくなる
きっと、そんなわたしの気持ちを察したんだろう
ドフィが抱きしめた腕に力を込めた
「コラソンと二人で暮らしていたんだったな。行くあてがないなら俺のとこに来い。お前をファミリーに迎えよう。」
そう言ってくれたドフィの声と腕の温もりがどことなくロシナンテに似ていて、でも少し違って…
現実が少しずつ頭に入ってくるのと同時に涙が頬を伝った
「うっ……ふぅっ…な、なんで…なんでロシーがぁっ……」
泣くわたしを何も言わずにドフィはただ抱きしめてた
「大好きだったって……まだ全然っ…何もっ…ッ伝えてな…いの…にぃ……うぅっ…なんでロシーがっ…あぁっ…」
ロシナンテよりも少し体温の低いからだに包まれながら、泣きつかれたわたしはドフィの腕の中で瞼を閉じた
ドフィと出会ったのは一年前が始めてだった
わたしがロシナンテと一緒に暮らしていたのは6年
ロシナンテは最初の2年間は海軍に居て任務のついでに本部に連れて行ってもらったことが何回かある
たまにセンゴクさんに遊んでもらったのを覚えている
でも、そのあとの4年間のことはほとんど知らない
4年前から急に海軍本部へ行くことも、制服を着ているのを見ることもなくなったのだ
その代わり、黒いモフモフとしたコートを羽織りどこかわたしの知らないところに出かけていた
ロシナンテはずっとこのことを教えてくれなくて、つい一年前、やっと少しだけ教えてくれた
「ねぇ、ロシー?今、お仕事、何やっているの?」
「……そうだな。心配もかけてる。紗良には少し話したおいた方がいいかもな」
もう何百回目となる質問だけど、その日のケガがあまりにも大きくて心配になって、ダメ元でもう一度、と聞いてみたら、少しだけ教えてくれたのだ
それで、今はドンキホーテファミリーに居ることとその船長が兄だということを教えられた
「えっ!?お兄さん!?しかも海賊!?」
「あぁ…だから、ないとは思うけど、ヤツには近づくな。俺も時期が来たら離れる。俺は海兵だからな。」
興味深々で笑顔だったわたしとは正反対にロシナンテが真剣な顔でに釘をさすように何度も近づくなと警告をしてその会話は終わった
でも、その後、わたしはその警告を破ってしまった
ロシナンテの兄、なんて聞いてわたしが黙っていられるわけがなく、次にロシナンテが家を開けるとき、こっそりとロシナンテの後を付いていった
長く一緒に暮らしていて、ロシナンテの裏を突くのは上手くなっていたんだと思う
上手く後をつけて、ドンキホーテファミリーの本拠地まで行くことができた
わたしはロシナンテが建物の中に入って行くのを見て足を止めた
「……ここか。」
わたしはロシナンテが入った建物に夢中で後ろに人が居ることに気づかなかった
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