好きは止まらない
□コレハ恋
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あれからどれくらいの時間、日にちがたったのだろうか
亜紀は静かに目を覚ます
気だるい身体は、いうことをきかず頭だけを動かした
あちこちにヒビが入っているコンクリートで出来ている壁
本棚や机があり
ご丁寧に亜紀はベットの上に寝かされていた
特に人気はないが…
辺りを見渡しながら、亜紀は貴族の吸血鬼と戦った日のことを思い出していた
深夜とまた、あの場所にいって
前回とは違い3人の吸血鬼にであう
そして
深夜が名前を呼ぶ中
亜紀は吸血鬼に捕まり
吸血をされ…意識が…
という事は……
亜紀の背中をゾクッと冷たい何かが走るのを感じ
気だるさを忘れ、身体を一気に起こしベットの淵に立ち上がった
逃げなくては
吸血鬼に捕まって生きていられるはずはない
すぐに、ここから逃げなくては…
そう思ったのもつかの間
➖僕の家畜になりなよ➖
「ち………ちがぁーう!!!///」
この間から繰り返される光景が再び頭をよぎり思わず大声を出してしまった亜紀
ハッとして口元を抑えて辺りをキョロキョロと見渡した
どうやら
気づかれてはいないらしい
ホッとしたいが、そうもしていられない
部屋の中の逃走経路を考える
部屋には扉と窓がある
扉は…出てすぐ近くに吸血鬼の部屋があるとも考えられるため危険
そして窓は…窓から見える景色から考えるに、ここは3階か4階程度の高さがあるが…
逃げられない高さではない
窓から逃げるしか無さそうだ
亜紀は足音を立てないよう窓に近づき
静かに窓を開け………
「何をしているんだい?」
「?!?!?!」
突然声をかけられて亜紀は窓にかけていた手を止めた
振り向こうにも
振り向けない
背筋が冷たい
けれど
➖僕の家畜になりなよ➖
「Noooーーん!!!!」
このタイミングで
またあの光景を思い出すなんて…
亜紀は大声を出して…
「玄天上帝!!」
無我夢中で鬼呪装備を構えた
そして相手を確認せず、後ろの誰かに向かって突撃した
が
勿論、策も何もない亜紀はあっさりと捕まる訳で
「いい度胸だね」
と両手を頭の上で捕まえられ
吊り下げられてる状態になってしまった
そしてその状態になり、やっと亜紀は相手の顔を確認した
確認した途端に上昇する体温
「………///」
あの赤い髪の毛三つ編みの貴族だ
確認した後、直視出来ない亜紀は目線をそらすのだが
それを許さない貴族
片手で亜紀の両手をとらえており、空いているもう片手で亜紀の顎を掴んで自分の方に向けた
「うん。やっぱり顔も悪くないね。ホーンが血も悪くないって言ってたし、今日から君は僕の家畜ね」
「………なっ……?!?!」
家畜扱いをされて本来なら反論するべきところなのだが
心臓の音が煩くて言葉が出て来ない
「僕の名前はクローリー・ユースフォード。今日から君のご主人様だよ」
クローリーは亜紀にニコリを微笑みかけた