空色スパイラル
□第十一訓 べちゃべちゃした団子なんてなぁ団子じゃねぇバカヤロー
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銀時、愛、神楽、お登勢の四人は、定春の背に乗って町を疾走する。
『病室 見えてきたっすよ!!
行っけぇぇぇ!!定春!!』
愛が言うと同時に、定春はジャンプする。
そして、おじいさんの病室に飛び込んだ。
「ギャアアアアアア!!」
医師の叫びがこだまする中、銀時は言う。
「おい、じーさん。
連れて来てやったぞ」
「い゛っ!? お登勢さん!?」
新八は帰って来た銀時達が、お登勢を連れて来た事に驚く。
「先生ェェェ。意識が…!!」
目を覚ましたおじいさんに銀時は叩く。
「オイきーてんのか、ジーさん」
「ちょっ、何やってんの君ィィィ!!」
医師が止めに入るが、銀時は続ける。
「かんざしはキッチリ返したからな…。
見えるかジーさん?」
『おじいさん、よかったね。
綾乃さんここにいるっすよ』
「…綾乃さん。
アンタやっぱ…かんざし、よく似合うなァ…」
「ありがとう」
おじいさんの目には、若き日のお登勢の姿があった。
入院中の新八を病院に残し、他のメンバーは万事屋へ帰っていた。
「…バーさんよォ。
アンタひょっとして、覚えてたってことはねーよな?」
「フン、さあね。
さてと…団子でも食べにいくとするかィ」
かんざしを頭に差したお登勢は綺麗だった。
「ん…ああ。」
ぼーっとする銀時に愛はポツリと言う。
『魂が美しいって言うのは尊敬するなぁ…』
「バーカ、てめーは十分キレーだよ。」
愛は銀時に小さな声で『ありがとう』と呟いた。
第十一訓 べちゃべちゃした団子なんて団子じゃねぇバカヤロー