世界一妹
□究明!妹の謎
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「えっ、じゃぁ、ずっと見てたの……?////」
「うん」
「ごめんね、菘」
事の全てを説明すると、菘は両手で顔を覆い隠して頭から湯気を出す勢いで真っ赤になってしまった。
クンクンしてたの見られて恥ずかしいんだね。
だから普段見られないように部屋に篭って作業してたんだね。
菘可愛いよ菘。
「俺達の匂い、嗅ぎ分けられんの?」
おそ松兄さんの問いかけに、菘は顔を隠したままコクリと小さく頷いた。
未だに耳まで真っ赤だ。可愛い………。ゴクリ…
「お、俺はどんな匂いがするんだ?」
「何訊いてんだよカラ松兄さん!!」
「何訊いてんだ殺すぞクソ松」
「俺も菘の匂い好きだよーーー!クンカクンカクンカ」
「やめなさい十四松!!フンフン…あぁ……甘い香りがするぅ……」
「ちょ、ちょっとみんな落ち着いて?菘が困ってるから!」
暴走し始める兄達から菘を庇う。
「大丈夫?菘」と、頭を撫でてやると顔全体覆っていた両手を両頬に移動させてコクリとまた頷いた。
ほっぺを手で冷やしてるのかな……うっ……可愛すぎる……っ!!
ズキュンと胸を撃たれたようなときめきに胸を押さえる。
「知られたくなかった……」
菘が俯く。
「え、そ…そんなに?大丈夫だよ菘、ほら顔上げて」
「恥ずかしがることはないぞシスター……家族愛、生活する上で自分の能力を活かした手段、健気な姿勢……もっと胸を張っていい」
「カラ松にしてはいいこと言った。そうだよ菘、恥ずかしがることはないさ。いつも畳んでくれてありがとう」
チョロ松兄さんが優しく頭を撫でると、菘がゆっくり顔を上げる。
恥じらいからか、下唇を軽く噛んでいるのが非常に可愛らしい。
「今度からは手伝うからさ……言って?」
そして汚らわしい野郎どもの下着は僕が全て片付けるから…!!
心の中にそんな思いを秘めて伝えると、菘は「ありがと」と小さく呟いた。
どんだけ恥ずかしかったんだよ…可愛すぎか…!!!
「菘、ぶっちゃけ誰の匂いが一番好き?」
「え」
とんでもない質問を飛ばしたのは、案の定おそ松兄さんだった。
なんでいつも余計なことを…!!
菘の戻りかけた顔色がまたカーっと赤くなる。
「一人言えばいいから!」
「……んん…………」
止めようとも思ったが、菘が考える素振りを見せたので僕達はみんな固唾を呑んで見守る。
「…………お…………」
「!!」
「お母さん……の匂い」
「でええええええぇぇぇぇぇぇ!?」
ズコーッと綺麗にずっこける六人。
最初の「お」で、もうおそ松兄さんすげー鼻の穴広がってたのに。
ザマァw
「ま、まぁ誰の匂いが好きかってことしか訊かなかったからな……そう答えるのも仕方ないか」
「えー!!やだ!!ワンチャン!ワンチャン!!兄弟の中では誰ー!?」
「もう答えないもん!」
プイッと唇を尖らせてそっぽ向く菘に、おそ松兄さんが「ワーンーチャーンー!!」と駄々をこねる。
なんだかんだで菘も楽しそうにクスクス笑っているので良しとしよう。
そう完結しながら、僕は気付かれないようにその場にあった野郎どものパンツをそっと畳んで仕分けたのであった。
Fin.
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