小説
□炎、獅子、雨
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コレはまだ、ナツがギルドに入る前のお話
ナツ「腹減ったな…」
イグニールを探しはじめて早くも1ヶ月が経とうとしていた
ナツ「森の中ならキノコかなんかあると思ったのによ…」
食べ物を探しに森に入ったはいいが、何も見つからず途方に暮れているとポツッポツッと雨が降り始める
ナツ「げっ、雨だ!」
慌ててたまたま見つけた洞窟に入る
ナツ「あービショビショになっちまった…
ま、ほっとけば乾くからいいか」
濡れた服は放置することに決めると、座って外を眺める
ナツ「イグニール…どこいっちまったんだよ…」
1ヶ月、どこを探しても見つからない親に、寂しさや不安がこみ上げ、目頭が熱くなる
出そうになる嗚咽を抑えていると
「がるるるるっ」
どうやらこの洞窟には先客がいたらしい
奥からライオンが威嚇しながら現れた
ナツ「…はっ!」
本来なら逃げ出すはずなのだが、ナツは逃げるどころか目を輝かしていた
ナツ「肉だ!」
先程の暗い雰囲気は微塵もなくなり、頭の中は目の前の獲物でいっぱいとなった
ナツ「肉ーー!」
獲物を狩るべく、両手に炎を纏いライオンに襲いかかった
拝啓父ちゃんへ
オレは今日も元気です