distant

□heart
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好きという言葉だけで、僕の気持ちはすべて言えてしまうんだ


なんか

軽く思われてしまうかもしれないけれど

好き以上の表現なんて、僕は持ってないから




「ね、ヨンジェ」


シャツの袖を引っ張って呼ぶのがまいのクセ


「ん?」


嬉しくても素っ気なくしてしまう、僕の悪いクセ





コンビニで見かけた君が、気になって気になって仕方なくて、


会えないかと通いつめて


偶然のフリして同じものを買おうとして、指が触れたとき、心のなかで小さくガッツポーズした




君が僕を好きだと言ったとき、自分から言えなかったことを後悔した


ズルいよ、まい


最初に好きになった方が弱いって言うけど、僕の方なんだよ




「ねぇ、これ見て。」


差し出されたパンフレットに....ウェディングドレスの写真


「ちょっ...」


まさか


プロポーズまで先に言われるとかないだろ?


「待ってまい、まだ指輪も用意してないし、ほら、あの、こうゆうことは男の僕から....」


「ゆびわ?ほら見て、ここにちっちゃく載ってるの、友達の初仕事!」



まいの指したとこに、モデルをやってる友達の写真



「....あ〜、あ、ホントだね。うん。」


胸を押さえて一息つく



「で、指輪ってなに?くれるの?」


きらきらした目で覗きこんでくるまい



「.....まだ...っと...今は無いから、その....」


いつもこんなんじゃダメだ
いいチャンスなんだから、ここは確りキメてやろう


「本気のゆ...」



「もしかして、本気の指輪?」





ああ

まいには一生かなわない



でも、その時がきたらちゃんと言わせて


なによりも大切な君に、心をこめて言いたいから




好きだよ まい


好きで好きで、本当に好きなんだ





fin


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