distant

□language
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「あれ?髪.....どこいった?」




「....髪?どこいったって...単語のmistake?」




「だって、昨日まで...昨日の夜まであったのに。」







膝の裏まであったじゃん



長くてさらさらの黒髪







「切ったの。なんか邪魔だなって思ったら、すぐに切りたくなって。」







......勿体無い



そう思ったけど、口にしない



長いのが好きとか、短いからどうとかじゃなくて、何も教えてもらえずにまいが変わっちゃうと寂しいんだよ





耳にかかるぐらいになった髪




抱き寄せて、確認する







「匂いは変わってないね。」





「匂いじゃなくて、香りがって言ってよ。」



まいが笑うと肩が小さく震える





「単語、難しいよ。」






「じゃあ、ジェクの言いやすい言葉で言って。」







まいにも分かる言葉で、俺にも言いやすい言葉で....




「Like this scent.かな?」





「scent?fragranceじゃなくて?」



唇を尖らせて、見上げてくるまい






「だって、これ、まいのにお....香りじゃん。」



「トリートメントの香りじゃない?」





違うよ



まいの体の香りじゃん



俺の好きな、落ち着くやつ







両手を広げてハグを促す





「抱っこしてよ。」




「もお....」






困った顔してるけど、ちょっと嬉しそうなまい






その何百倍も俺は嬉しい







「とにかく好きなの。それで良いじゃん。」








『愛してる』って、どの言葉で言えばまいの心に真っ直ぐ届く?






fin
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