★恋の炎に身を焦がす★【完結】

□09_隊首会
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「大丈夫か?」


そう言って煉を気遣うのは十番隊隊長

日番谷冬獅郎


あの実習で巨大虚に学生たちが襲われた事件から3日

あの事件で今まで使った事が無い量の霊力を使い学生では異例の事だが四番隊で霊力回復をさせる為に治療を受けていた


その入院中、ずっと煉に付きっ切りだった冬獅郎

そして、3日経った今日、卯ノ花から退院の許可だ出た


それと同時に、隊首会が開かれる事になり煉にも招集命令が出された


冬獅郎としては何とか断ってやりたかった


あんな場所にまだ学生の煉を連れて行きたくはなかった

護廷十三隊の隊長達が一同に集う隊首会


ただでさえ人見知りの煉をあんな一癖も二癖もあるような隊長達の中に連れて行くことに抵抗があった

それでも、総隊長の決定に逆らう事が出来ず、せめて煉と一緒に隊首会へと向かう冬獅郎

その間、しっかりと煉の手を握っていてる


「・・・だいじょう・・・ぶだよ」


明らかに大丈夫には見えない煉


「・・・煉、これが終わったら学院に戻れるからな?」


冬獅郎がそう言うと、少しだけ明るくなった煉の顔


「水花に会える?」

「あぁ、もちろんだ」


そっか・・・と嬉しそうにする煉




冬獅郎と話しているうちに隊首会を執り行う一番隊隊舎へと着いてしまった




「煉・・・」

入るぞ?と合図をするようにもう一度キツく手をに入り締めてくれた冬獅郎に煉は笑顔を見せた

それはまるで大丈夫だと返事をするように


そして、ゆっくりと煉から手を離した冬獅郎は・・・



「十番隊隊長 日番谷冬獅郎だ」


そう言うとゆっくりと一番隊の扉が開いた




そのまま進んだ先には総隊長を中心に冬獅郎以外の隊長が揃っていた


冬獅郎もそっと煉の背中に触れ、大丈夫だと促し、自分も定位置へと着いた


煉は何度か小さく深呼吸をし、総隊長の前へと進み、頭を下げた



「霊術院一回生水無月煉です」

落ち着いた声で名乗った煉に対し


「面をあげろ」

総隊長より告げられた言葉により下げていた顔を上げ真っ直ぐと総隊長を見つめた煉


その姿に誰もが驚いた


まだ小さな少女が13人の隊長に囲まれ、顔色一つ変えずに堂々と名乗り、総隊長を真っ直ぐ見つけているのだ


「これより隊首会を行う。3日前の一回生現世自習に関してじゃ。既に六番隊の隊士と朽木隊長、阿散井副隊長より報告書は届いておる」

横に控えていた一番隊隊士がその報告書を読み上げていく



「今の報告に間違いはないか?」

総隊長の問いかけに煉は

「間違いありません」

冷静に答えていく


その答えに既に事の内容を知っている四番隊、六番隊、十番隊の隊長以外がざわついた


報告の内容は突如現世に現れた巨大虚の数は三十体を超えていた

そして、六番隊隊長、副隊長が救援に着いた時には十数体へと減っていたのだ


という事は・・・


この小さな少女が1人で・・・

という結論に至ってしまう


「では、始解したという報告も事実だな」

更にザワザワと周りが騒ぎだす


「はい」

そっと自分の腰にある刀に手を触れる煉





その様子に総隊長は少し考える素振りを見せてから


「水無月煉、すぐに霊術院を卒業して護廷十三隊に入隊する意思はあるか?」



「え・・・」



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