★桜の花が咲く頃に★【完結】

□07_それぞれ
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ヒロインside



珍しく定時で退舎する事ができた

明日は非番だし、今日はお兄ちゃんと一緒にご飯でも食べようか・・・

それとも久しぶりに海燕でも誘って飲みに行こうか・・・


悩みながら二番隊隊舎を出た所で・・・



「ちょっと顔かしぃ」

急に目の前に現れた矢胴丸副隊長

そして・・・

拉致られました・・・


なになにっ

私呼び出されて絞められたりするのっ!?


相手は副隊長

逃げる訳にも行かず言われるがままについて行ったのは・・・





リサ「まぁ、飲みぃや」

白「ねぇねぇ、おはぎないかなぁ〜」

ひよ里「アホ、居酒屋にあるわけないやろ」


そう、居酒屋の個室に連れてこられました





「(なにこれ・・・どうしたら良いの?)」

なぜ私は拉致られたのっ?



「・・・あの・・・矢胴丸副隊長・・・」


勇気を振り絞って聞いてみる事にした


ジロリと無言で睨まれた・・・

誰か助けてっ!!


お兄ちゃ〜〜ん

心の中で兄の名前を呼ぶがもちろん来るはずはない


「名前で呼んでええって言うとるやろ」


はい・・・言われてます・・・


「リ・・・リサさん・・・」

「なんや」

怖いよぉ〜

イヤ、みんな良い人達だよ?

それは分かってるけど、他隊の副隊長3人に理由も分からず拉致されれば、今年入隊したばかりの私がビビっても仕方がないよねっ!?



「・・・・・・・・私は何故・・・ここに連れてこられたんでしょうか?」

よしっ!

聞いたっ!!

白「桜恋ちゃんと一緒に飲みたいからだよ〜〜〜」

「えっ、そうなんですか?」

それなら良いや♪

ひよ里「それもあるけど、それだけやないやろ」

ですよね・・・

リサ「まぁ、もうちょい飲んでからや」

そう言ってリサさんが私の盃にお酒を注いでくる

「いや、あの・・・私・・・ちょっ・・・」


私、お酒弱いのご存じですよねっ!?


しかし、立場上私が断れるはずもない・・・

チビチビと飲んで時間を稼いでいたけど、だんだんフワフワしてきた


でも、まだ大丈夫かな?

意識はハッキリしてるし・・・


もう少しペースを落としておこうと考えていると、リサさんが口を開いた



「なぁ、桜恋、あんた拳西の事好きやろ?」


ブッ―――――


口に含んでいたお酒を吐き出しちゃったっ


ひよ里「うわっ!あんた、なにしてんねんっ!」


イヤイヤイヤ

私のせいですかっ?

確かに吐き出したのは私ですけどねっ


「すみませんっ!!」


店員さんに慌てておしぼりをもらう


私の口元のびしょびしょだし・・・


白「桜恋ちゃん、大丈夫〜〜?」

「・・・・・・大丈夫です」


汚した周辺も拭いて、やっと落ち着いた



ひよ里「で?どないやねん」


まだ話しを続けるんですね・・・


リサ「なにやら、最近、2人で出かけたりしとるらしいやないか?」


ニヤニヤしないで下さい・・・

リサさん、美人なのに台無しですよ・・・


白「そうなのっ?桜恋ちゃんっ!ずるい、白も桜恋ちゃんとお出かけしたいのに〜〜」


白さん・・・可愛いっ

「イヤ、別に出かけてるとかじゃないですよ・・・たまに食事に行くだけで・・・」


そう、以前ケガした時に四番隊に連れて行って貰った日


一緒に食事に行った


それ以来、時々


ほんと〜〜に時々


食事に連れて行って貰う事が何度かあっただけ

仕事の話しや夜一さんの愚痴だったり・・・

六車隊長も九番隊の事やお兄ちゃんの事

そして、白さんの愚痴だったり・・・



お酒が入ると少しだけ饒舌になる六車隊長


2人で話している時は少し柔らかい表情になる



その時間が堪らなく好きだった





ひよ里「何ニヤケてるんや。気持ち悪い」

「ひよ里さん・・・酷いです・・・」

六車隊長の事考えていたら顔が緩んでた自覚はあるけど、気持ち悪いって・・・

白「なに〜〜、桜恋ちゃん、拳西が好きなの〜〜〜。趣味悪〜〜〜い」


ちょっ!!


「白さんっ!六車隊長はカッコいいじゃないですかっ!優しいし、真面目だし・・・あの筋肉だって・・・」


一度触ってみたいなぁ〜

あっ、でも前に夜一さんに背後から押された時に六車隊長の腕に支えられたんだよね・・・

あれはドキドキしたな・・・

すごく逞しい胸板と腕・・・




って・・・あれ、私酔ってるのかな・・・

自分が何を言ってるのか分からなくなってきた・・・





リサ「要するに拳西の事好きなんやろ?」


好き・・・


やっぱりそうなのかなぁ


隊が違うのに気遣ってくれて、優しくしてくれて・・・


会うとドキドキして

だけどホッとする




「ん・・・好き・・・です」



私はそのまま意識を失った



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