★陽だまりの中で★【完結】

□02_復帰
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空座町での決戦も終わり其々に大なり小なり傷を残しながらも尸魂界にも空座町にも平穏が戻りつつあり

空席だった三番隊、五番隊、九番隊の隊長には愛染によって嵌められ長らく現世へと身を潜めていた前隊長が101年ぶりに就任がした

最初こそ新しい隊長に戸惑いを見せていた隊士達も次第に慣れ以前と変わらぬ様子を見せていた




今日も隊務に追われる死神達


そんな中・・・


「はぁー、疲れた。桃〜。ちょっと休憩しよや〜」


前隊長が離反してから滞っていた雑務を処理するために就任以来デスクワークを余儀なくされていた新隊長の平子真子

特に五番隊の場合は副隊長である雛森桃も職務に就けない時期があり他の隊以上に滞っていた


それを処理するために真子は就任以来執務室に籠りっぱなしでそろそろ疲れが見えていた


「そうですね。書類もそろそろ終わりそうですしね。お茶を入れてきますね」


副隊長である桃がお茶を入れようと立とうとすると・・・


「イヤ、桃も休んどき。ちょっと出てくるわ」


「え?どちらに?」


不思議そうにする桃を横目に真子はちょっとな〜と執務室を出て行った




そして真子が向かった先は・・・





「お疲れさん〜」


四番隊


行き交う隊士が急な隊長、しかも新しく就任した五番隊隊長が現れた事にざわつき、焦る


「ひっ平子隊長っ、どうかなさいましたか?」

四番隊に来るという事はケガか病気又は自隊の隊長に用があるのだろか?と考えを巡らせる隊士たち



「あ〜、ちょっとなぁ〜、如月四席はおる?」

少々お待ちくださいと隊士が診察室へと入って行くと次に出て来たのは・・・






「平子隊長?」


死覇装の上から白衣をまとい、長く綺麗な金髪をルーズにまとめた如月星

四番隊第四席だった


「あー、忙しい時にすまんな」


「いえ、大丈夫ですよ。ここでは隊士たちがソワソワしてるので、こちらへどうぞ(笑)」


突然現れた隊長に未だざわついている四番隊隊舎


急に自分を訪ねて来たのは何か話しがあってだろう・・・と星は自分専用の診察室へと案内した



「どうぞ?」


そう言って差し出したのは・・・


「へぇ、珈琲を入れれるんやな」



最近では現世の物が手に入りやすくなっている尸魂界だったが、それでもまだ珈琲を好んでいる隊や隊士は少ない


「ちょっと前からですけどね」


2人分の珈琲を入れれば星の診察室に珈琲の良い香りが漂う


2人で珈琲を飲み、静かで穏やかな時間が流れた後・・・



「おおきにな」

おもむろに真子が口を開いた

何のことだろうと首を傾げる星


「・・・現世での治療と、こっちでの治療の事や」


「あぁ!あれはあの時卯ノ花隊長もおっしゃってましたけど、お礼を言って頂くような事じゃないですよ。でも、ひよ里ちゃんは元気ですか?」



愛染たちとの闘いの最中に傷ついたひよ里だけでなく、今回隊長復帰したローズ、真子、拳西を含む仮面の軍勢の治療を行った星


その後、完治するまで尸魂界で治療をしていた仮面の軍勢を担当したのも星だった


そんな中で死神嫌いのひよ里も星には心を開き、いつの間にか仲良くなっていた


「あぁ、めっちゃ元気や。うるさいくらいやわ(笑)せや、ひよ里から手紙を預かってん」




そう言って手紙を手渡されるとふわりと微笑む星に見惚れた



隊長復帰してからずっと会いたいと思っていた星にやっと会えた真子





「あっ、忘れてました」

星は思い出したように真子を見つめ・・・




「平子隊長、五番隊隊長就任おめでとうございます」





そう言って笑顔を浮かべた星に真子も笑顔を見せた





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