★陽だまりの中で★【完結】
□03_同期の二人
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「桃〜、この書類持ってくで〜?」
目の前にあった書類の束を掴むのは最近5番隊隊長に復帰した平子真子
「隊長っ?そんなの私達がやりますからっ」
副隊長である雛森はもちろん、他の隊士たちも隊長自ら書類を配るなんてっと止めに入った
「ちょうど昼時やし、このまま拳西とでも昼飯に行くついでや」
手に取ったのは九番隊へ回す書類
このまま休憩に入ると書類を持って五番隊を出て行く真子
五番隊を出て九番隊へと向かっていると・・・
「星〜」
少し前を歩く四番隊第四席の星を見つけ声をかけた
その声に振り向いた星は
「お疲れ様です。平子隊長」
「お疲れさん。書類配りか?」
星の手元にある書類を見て、わざわざ四席が?と不思議に思う真子だが・・・
「平子隊長こそ(笑)」
真子の手にある書類に目をやり、同じようにわざわざ隊長が?と首を傾げながら笑った
星の笑顔を見て真子は
「(やっぱ、可愛ええなぁ〜)丁度昼時やし、拳西と飯でも食おう思うてな。ついでや」
そう言って九番隊への書類を見せる
「偶然ですね〜。私も九番隊宛ての書類なんですよ」
行先は同じ
2人はそのまま並んで九番隊へと向かった
その間、真子は現世にいた時の事、そのまま現世に残った仲間達のことなどを話し続けた
九番隊までの短くはない道のりは2人で話しながら歩くとアッと言う間だった
何故か五番隊隊長と四番隊第四席が一緒に書類を持ってくるという不思議な光景に九番隊の隊士は不思議に思いながらも、2人を隊首室へと通した
そこには隊長の六車拳西と副隊長の檜佐木修兵がいる
その2人も真子と星という不思議な組み合わせに首を傾げる
「途中で偶然会ってん」
真子は拳西に書類を手渡し、星は修兵に
「これ、今度の合同訓練の時の救護班の編成表」
「おっ、サンキュ。お前の班が担当するのか?」
近々行われる九番、十番、十一番隊の合同訓練
大掛かりな訓練が行われる時は救護班の要請が義務付けられている
「十一番隊がいるからね・・・」
それもそうだな・・・と修兵も納得した
「ところで、修兵、昨日徹夜したでしょ?」
「・・・・・・締め切り前でさ・・・」
隊長が就任しても忙しそうな修兵にため息吐きながらも
「仕方がないなぁ〜。座って」
そう言って椅子に修兵を座らせて、両手で修兵の両頬を優しく包み込む込んだ星
その様子を見て・・・
「何しとんねんっ!」
ただでさえ2人が仲良く話しているのを見てイライラしていた真子
もう我慢が出来なかった
「治療ですけど?」
急に大きな声を出した真子に何事だろうと首を傾げながら答えた
「治療?」
星は修兵の顔に手を当てたまま真子に説明した
修兵がが霊術院時代に負った目の傷のせいで疲れてくると片目の視力が極端に落ち、そのせいで目の疲れだけでなく、偏頭痛や首を、肩、背中が痛み出す
酷くなると動けなくなるほどに・・・
その前にこうやって疲れを取ってあげるのだと星は語った
話し終わった頃・・・
「はい、終わり。どう?」
星の声で目を開けた修兵
「あぁ、楽になった。ありがとな」
明らかに顔色の良くなった修兵を見ると気づかなかったが、さっきまで本当は調子が悪かったのだと拳西もやっと理解した
「修兵、今日は定時で上がれ」
たまにはゆっくり休め
隊長命令だという拳西に驚きながらも
「ありがとうございます」
編集作業もひと段落ついた事だし甘えようと素直に修兵は従った
「あっ、じゃあ久しぶりに修兵の作ったご飯食べたいなぁ〜」
星が自分も定時で上がるからと言い出した
「そうだな〜、じゃあ、仕事終わったらうちに来いよ」
それを当たり前の様に了承する修兵
「ちょっと待ちぃ!なんやねん、その会話。まるで恋人同士の会話や んっ!2人はどういう関係やねんな」
興奮気味に叫ぶ真子にうるさいと興味なさげな拳西
そして・・・
「「ただの同期ですけど?」」
星と修兵の声がハモった
それに納得できない真子のしつこい追求はこの後も続いたのだった・・・
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