★陽だまりの中で★【完結】

□05_隊長
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真子side


「桃〜、ちょっと出かけてくるで〜」


「ちょっ!平子隊長っ!また四番隊ですかっ?ってもういないしっ!!!」


桃の言葉を無視して、四番隊へと向かう


隊長に復帰して以来、珈琲を理由に四番隊の星に出来るだけ会いに行っていた。


星はまた?という顔をしながらも嫌がらずに珈琲を淹れてくれて、たわなもない話を2人でする


100年以上、復讐だけを考えていた俺にとっては驚くほど穏やかな時間だった


元は一目惚れに近い状態で星を気に入っていたが今では星の容姿だけはなく、その声、表情、話し方、包み込むような穏やかな雰囲気


全てに惹かれているが・・・




「なかなか進展せぇへんなぁ〜」


四番隊へ行けば時間があれば、話し相手をしてくれる


けど、まだ隊舎外で会った事がない





何度か誘ってはいるが・・・



「暗に断られてるんやろか・・・」



ちょっと凹むわ・・・



何度断られても諦める気はないけどな





そして、いつものように四番隊隊舎を歩く



四番隊隊士はもう慣れたもので、俺が来ても何も言わなくなった


勝手に星専用の診察室へと向かう


一応、診察中じゃないか中の霊圧を探り、星が1人でだと確認し・・・




「星〜〜〜〜、珈琲・・・・」


語尾がだんだん小さくなった



その理由は・・・


「星?」




執務用の机に顔を横にして眠っている?



寝苦しいのか・・・


少しだけ眉間にシワが寄っている星の頬を人差し指の背で撫でてみる



「(うっわ・・・柔らかっ!スベスベやし・・・)」


初めて触った星の肌に年甲斐もなくドキドキする


いけない・・・と分かっていながらもその肌の気持ち良さに指を這わせる



「んっ・・・・」


やばっ


起きたか?



薄っすらと目を開け、ボーっとする星・・・



可愛い・・・


ホンマ可愛い・・・


めっちゃ可愛い・・・








「た・・・いちょ?」


「・・・・星?」


静かな診察室内


俺の心臓の音だけが聞こえる



キュッ


星の手が星の頬を撫でていた俺の人差し指を握り・・・



スースー


そのまままた眠りについた











「・・・なんやねん・・・隊長って誰の事やねん・・・」




明らかに寝ぼけていた星



俺だと認識しての事なのか・・・


それとも他の隊長の事なのか・・・









星の目が覚めても聞けないままとなった・・・




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