★陽だまりの中で★【完結】

□06_五番隊
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ある日の事

「失礼します。四番隊四席の如月星です」

五番隊隊舎へとやって来た星

最近ではあまり四番隊隊舎から出る事が少なくなっていた星だったが、少し前まではよく五番隊へと出入りしていた


五番隊隊士は星の事をよく知っているし、星も五番隊の事はよく知っているため案内なしで隊首室までやってきた

隊首室の扉を叩き、星が声を掛けると・・・


ガタっ

ゴンっ

バサバサっ


「(・・・・・・・何か凄い音が・・・)」


隊首室内から何かがぶつかる音や書類が散らばる音


そして・・・

ガチャリ

開いた扉の先には・・・


「・・・平子隊長・・・大丈夫ですか?」


右足を引きずり出て来た五番隊隊長の平子真子

どうやら足の小指をぶつけたようだ


「・・・大丈夫や。それよりっ、星が五番隊に来るなんて珍しい事もあるもんやな」

「書類とその内容の説明に各隊を周ってるんですけど・・・」

室内を覗くと倒れた椅子と散らばった書類


「・・・お忙しいようでしたら出直しましょうか?」


室内を見てそう言った星に・・・


「いやっ!大丈夫やっ。ほらっ、入り?」

本当に大丈夫だろうか・・・と思いつつも星は室内へと足を進めた


「失礼します」

「散らかっとるけど、その辺に座っといてや」

珈琲を淹れてくる・・・と隊首室に備え付けてある給湯室へと向かう真子を星は慌てて止める

「平子隊長、書類を持って来ただけですから」

すぐに帰ります・・・という星の言葉に真子は明らかにがっかりした様子を見せた


「え〜〜、ちょっとくらいええやん・・・ほら、いつもは星に珈琲淹れてもろうてるし、たまには・・・な?」

ええやろ?と隊長に言われてしまえば星も断り辛い


「じゃあ、ちょっとだけ。でも、私が珈琲淹れましょうか?」

さすがに隊長に淹れさせるのはちょっと・・・と星は思い、真子と一緒に給湯室へと足を進めた

「いや、ええよ。いつも淹れてもらってばかりやし」

「でも・・・」

そう言って隣に真子の隣に並んだ星が真子を見上げと

その時、ふと真子の視線が星の髪を1つに纏めていた簪が目に入った


「・・・星、簪が欠けとる」

「えっ!」

髪の毛からスッと簪を抜くと、長くてフワフワとウェーブのかかった綺麗な金色の髪が広がった

「うわ〜。ホントだ・・・って平子隊長?」

「あっ・・・すまん。綺麗な髪やったから・・・つい」

思わず星の髪の毛に触れていた真子は正直に言って詫びた

その率直さに驚きながらも・・・

「ありがとうございます」

ふわり・・・と微笑みお礼を言う星


「(やっぱ可愛い・・・)なぁ・・・星・・・その・・・良かったら、今度の非番にでも一緒に買い物行かへんか?新しい簪を贈らせて欲しいんや」


「え・・・」


ダメか?と問う真子に星がした返事は・・・



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