★陽だまりの中で★【完結】
□08_本
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「平子隊長、こんな所まで付き合ってもらって良かったんですか?」
真子に瀞霊廷を案内しながら自分の買い物も済ませた星
その後は少し寄るところがあるから・・・と真子と別れようとしたが・・・
「俺の方からついて行くっていったんや。気にせんどいてや」
そうして瀞霊廷内のお店で買い物をした後星が向かったのは流魂街
それも外れの方でだんだん周辺には家がなくなってきた
「ところでどこまで行くんや?」
そう言えば行き先を聞いてなかった・・・と真子が星に尋ねると・・・
「そろそろのはずなんですけど・・・時々家の場所が変わるんですよね〜」
「・・・まさかあの家か?」
とてつもなく自己主張をしている一軒の家
「あっ、そうです・・・相変わらず・・・」
ヘンな家・・・という言葉を辛うじて飲み込んだ星
真子はこの家に用事・・・という事はもしかして・・・と嫌な予感が拭えない
そして、その家の門番である双子に案内され、向かった先には・・・
「久しぶりじゃねーか。星・・・と面白い組み合わせだな平子真子」
「まぁな・・・久しぶりやな」
「ご無沙汰しております・・・空鶴さん」
これお土産です・・・と瀞霊廷の和菓子屋で購入した大福を空鶴に差し出す
「おっ、悪いな。あぁ、あれだよな?今日、お前が来たのはあいつに会うためだろ?ったく・・・20年ぶりに会いに来たと思えば、俺じゃなく、あいつに用があるとはな・・・」
薄情だなぁ・・・と揶揄いも含めて空鶴が星を見る
「・・・空鶴さん」
真子は哀し気な表情を見せた星が気になり・・・
「星?どない「星!どけやハゲっ!邪魔やっ!!」・・・ゲフッ!」
勢いよくふすまを開け、星の隣に座っていた真子の後頭部を畳に踏みつけたのは・・・
「ひよ里ちゃん?」
「久しぶりやなっ!星。リサがお前に会うって言うてたから、うちも一緒について来てん。まさかハゲ真子が一緒やとは思わへんかったけどなぁ」
そう言って畳に埋まった真子の顔を再度踏みつけるひよ里・・・
もちろん真子も黙ってやられるはずもなく・・・
「何してくれとんねんっ!」
「お前こそなんやねっ!なに星について来とんねんっ。ハゲっ」
「ハゲてません〜」
言い合いを始めた2人を見て呆気にとられる星
以前2人が揃っていた所を見たのはあの戦いのすぐ後
治療をしている時だった
あの時はひよ里は大怪我を負っていた事もありこんな2人の光景を星は見た事がなかった
「止めた方が良いのかしら?」
どうしようか・・・と悩んでいると・・・
「ほっとき」
「リサさん」
今回、此処、空鶴の家で会う約束をしていたのは星の目の前に現れた矢胴丸リサだった
リサはあの戦いの後、志波空鶴の家を拠点に書籍販売会社を起ち上げ、事業を営んでいた
「これ、頼まれとったもんや」
「わぁっ、ありがとうございます」
リサから本を数冊受け取った星は嬉しそうに笑った
「星っ!?リサに本なんて頼んだんかっ?!」
リサがどんな本を中心に販売しているか知っている真子はひよ里と取っ組み合いながらも本が気になった
「はい、現世でしかない本だったんで、リサさんに頼んでたんですよ」
早く読みたそうに珍しくソワソワしている星の姿は可愛い・・・と思う真子だが、その手の中に大事に抱えている本がエロ本かもしれない・・・と思うと複雑な気分になった
「言っとくけど、あの本、現世の医学書やで?ハッチお勧めの」
「・・・は?」
エロ本やないのか・・・と真子がホッとしたのもつかの間・・・
「あ、そや・・・こっちが真子から頼まれとった本やで」
「は?俺頼んでないで?」
大量の本を渡してくるリサに不思議そうにそう返すと・・・
「全部頼まれとったエロ本や」
リサとひよ里はニヤリと笑い、星は固まった・・・
「・・・頼んでへんわっ!」
「何言っとんねん、はよ持って来いって煩かったやないか(笑)」
その後、必至で誤解を解こうとする真子を無視してひよ里たちは女同士でゆっくり話そう・・・と星を連れて行くのだった
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