★陽だまりの中で★【完結】
□19_ズルさ
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九番隊隊舎
副官室
真子に声をかけられると固まった二人
「で?星のええ所なら俺に聞いてくれたら良いやん。いくらでも答えるで?」
そう言って星を見る真子
その視線に俯く星
その様子を見た修兵は・・・
「・・・・・・平子隊長、星になんかしました?」
様子がおかしいのは平子隊長のせいか?と気付いた修兵
「何もしてへんわっ。好きや言うただけやん」
なぁ、星・・・と
何事もないようにいう真子に拳西と修兵は目を丸くし、思わず顔を上げた星の表情は少し赤い
しかし、それ以上に・・・
「そない困った顔せんどいてや。何も変わらんでええゆうたやろ。俺が星を好きなだけやん」
「・・・なんで・・・」
やっぱり困ったような顔になる星
「星、少し話そか」
そう言って真子は星の手を引いて九番隊を出て行った
拳西と修兵は真子のあまりに直球な物言いに呆然としていた
そして、手を引かれて九番隊隊舎を出た真子と星
軽く握られた手は振りほどかれる事もなく繋がったまま
ただ軽く触れているだけの二人の手
「星、聞きたい事があるんやったら俺に聞いてくれへんか?」
「えっと・・・」
どうしたら良いのか分からず口ごもる星
そんな様子を可愛い・・・と思いつつも自分のせいで悩ませたかったわけでもない、困らせたかったわけではない
「星の良いところ知りたいんなら俺がいくらでも教えたるで?」
一つずつあげていく真子
まだまだ終わりそうにない
「・・・・もう良いです・・・ごめんなさい。止めてください」
もういたたまれないと・・・
あまりに直接的に伝えてくる真子に星は・・・
「なんで、私ですか?平子隊長ならもっと「星がええ」・・・でも、私は・・・」
「知っとるよ。星に待っとる人がおるのも、俺の事を何とも思っとらんのも。それでも、あの時、星が好きやって言いたくなった。ただそれだけや。俺が勝手に言っとるだけで星は何もせんでええよ。変わらんでええよ。そのままがええ」
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