Dream

□あなたの隣(完結)
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どうしたら好きになってくれる?


















「ばーんり、一緒に帰ろ?」


ホームルームが終わり、クラスメイトがそれぞれ解散していく中、私は教室の入口で万里に声を掛ける。
あいよー、と言いながら万里はすぐに立ち上がりカバンを持って私の方へ来てくれる。
万里は私の横を通過しなが、空いてる手でポンと私の頭を軽叩いて廊下を歩き出す。
なにすんのよー!なんて少し怒ったふりをして私はそのあとを小走りで付いて行った。







万里とは所謂幼馴染というやつで、小学生の頃からずっと一緒だった。
小さな頃からなんでもこなせる万里は私にとって憧れであり、ヒーローでもあった。
そして、お察しの通り初恋の人でそれは現在も継続中。




――初恋は叶わない

不幸かな、このジンクスは大当たりで、私はこの数年間万里に出来た歴代の彼女さんたちと彼との恋愛を全て知っている。
正直、新しく彼女が出来る度にへこむんだけど万里のことを諦めきれない自分がいて現在に至ってる。



告白?
勿論考えたこともあったけど、いざふられた時に万里との関係が壊れるのが怖すぎて踏み込めない。
だから、そっと彼のことを歯を食いしばりながら見てるしかできない。
自分でドMだなって思う。


でも、それでいいんだって思ってた。
惚れた弱みってやつだね。









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