居場所のない少女
□初めまして。
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昔のお話をしましょう。
サリバァ帝国、緑豊かで争いごとが起こらないとても平和で美しい楽園。この国にはとてもとても美しい2人のお姫様がいました。姉のリーナは博識、清楚で国民の憧れの存在でした。妹のラナはお転婆、お気楽それでもみんなから愛されていました。正反対の2人はとても仲が良く、国は幸せに満ちていました。
でも幸せは長くは続きませんでした。
一晩にしてこの争いごとがなかった平和な国は憎しみの渦のなか滅んでいくのでした。
『あははあはは』
けたましい笑い声が半壊してしまった街に響く。その声の主は血で濡れてしまったラナだった。
憎しみの渦のなか必死に走っていた。私が起こしたこの惨劇。笑いしかでてこない。醜い醜いみんなバカみたい。何が平和な国だ結局はみんな押し殺していただけじゃないか。滅んでしまえ。
そう思ってしまうのは私の心が死んでしまったからだろう。あたりは血の海、どこに向かっているのかも自分でも分からない。でも走らなきゃいけない気がする、何故だろう。真っ暗闇の中で光を探して走らないとどこかに逃げないと。
そう思い海の方を遠目で見ていると大きな船がこちらに向かっている気がした…
ドンキホーテ・ドフラミンゴを乗せた海賊船は予定していた航路を大幅に変えた。一緒に連れ出されていたディアマンテは自室に居たが大きな揺れに驚き甲板に出ていた。そこには舵を握りながらなにやら嬉しそうにニヤついているドフラミンゴの姿が見に入った。
デ「おい。ドフィなにをしてる!」
困り果てているクルーもディアマンテを声を聞くと少し安堵した様子だった。
ドフラミンゴは電々虫を片手に高く笑った。
「いまおもしれぇ事が起きてるらしくてな。この近くで内戦が起きてるらしい」
「別に珍しい話でもないだろう。この前の商談の話をしに行かなくていいのか?」
商売をお粗末にして貰っては困る。そう思ったディアマンテはドフラミンゴに尋ねるがドフラミンゴはそんなことどうでもいいように舵を握る手を離す気は無いようだ。
ド「まぁそう焦るな。こっちの方が最優先だ、なんでもサリバァ帝国が崩壊しているらしい。」
デ「サリバァ帝国が内戦だと…!」
サリバァ帝国は新世界の誰でも知っている未だ戦争も内戦もそれより犯罪なんて起こるのかってくらい平和で安全すぎる都市だと聞いたことがあるが。そんな国が内戦だの崩壊だの、一体なにがあったのだろう。
ド「それに、もう一つ…崩壊させた張本人は18のお姫様らしいな。どんだお転婆姫だ。」
デ「18だと!!まだ子供じゃないか。それに女子供がどうやって」
能力者か。その可能性は十分高い。一夜にして国一個を破壊できる能力とは一体なんなのかディアマンテ自身もかなり興味が出てきた。
そんなディアマンテの様子を見たドフラミンゴはニヤニヤと意味ありげな表情になった。
「フフフ。逃げられたら困るからな」
島まであと少しというところでドフラミンゴは自分の能力を使い1人でスイスイと島へと勝手に行ってしまった。そのドフラミンゴの様子は例えるなら新しい玩具を見つけた子供のようなはしゃぎようだった。
ディアマンテはそんなドフラミンゴを止めはせずただ呆然と見つめることしか出来なかった。
「……仕方ないな。」
悲劇はまだ始まったばっかりだから。
そんなことが起こっていることも知るよしもないラナはだだひたすら血がにじんで黒くなっている脚を動かして自分に言い聞かしていた
「…ここにいちゃいけない。」
ここは嘘と見栄がごちゃまぜになって大きくなって膨らんだとても汚い場所。そんなところにはおさらばしないと行けない。私の能力はここじゃ頭が痛くなる。
「…ハァ…ハァ、いった。」
そう走り続けていたラナだったが左足から血が流れ続けていたことさえ気づかなくてラナの体力も気力も故障寸前だった。ボロボロになったラナは歩くことができず頭を抑えながらふらつき身体が傾いた
その時どこからともなく大きなピンクが現れてラナの身体を、受け止めた。
「お前がラナってやつか?」
「…あな…たは」
それがなんなのかラナは考えることも出来ずだだその大きなピンクに体を預け視界がだんだん薄くなって微かにそのピンクがニヤリと笑った気がした。