便利屋の行方(ヒソカ)

□仕事の内容は様々
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夜中の広い屋敷の中は静かだ…。


「…!誰だ…ぐぁあっ!!」
『煩い』


警備の人に見つかったがすぐに首をナイフで切り落とす。
男の返り血が頬にベチャっとつく。

それを指で掬い少し舐める。


『…不味……』


その男は放置し、今日の目当ての人を探す。
なんともお金の無駄遣い、女遊びの激しい人間みたい。

なんかの念の能力者みたいだが、つい最近取得したみたいで相手にもならない。

無駄に長い廊下はヒールの音だけを響かせる。
音も鳴らさないで歩くこともできるけどここの屋敷の全員殺したし?
あとは目的の男だけ。
音なんて気にしない

生きている気配のする部屋を見つけ、ノックもせずに部屋の中に入る。


「…誰だ…!?」
『さぁ、誰でしょうね』
「おい!!!誰か来い!」
『ここの使用人は全員殺したよ?』


そう言うと男は状況を理解したようで馬鹿みたいに命乞いをしてきた。


「かっ、金ならいくらでもやる!!だから命だけはっ!」
『その台詞…聞き飽きちゃった』


叫び声を上げる隙も与えずに殺してやった。

言っとくけど…殺し屋じゃないからね?
ただ依頼されたことをやってるだけだから!!


因みに便利屋をやっているから報酬さえ良ければ何でもするんだよね。
だから窃盗とかもするわけ。


ということで、部屋にあった大きいダイヤを盗んだ。

帰ろうと窓枠に足をかけたら誰かの気配がした。


『……誰か…いる?』


可笑しい。
ここの使用人は全て殺したはず。

他の人かな?
念能力者っぽいんだけど…それもかなり強い…。

まだ私の相手にはならないけど。

キィィー……


「だれ?」
『あなたこそ誰?』


月明かりで見えた顔はとても美形な人。
目が大きくて黒髪の長髪の男。
手には念が込められてる針が見える。

私の顔は逆光になって見えないはず…


「俺?オレはイルミ」
『あぁ…ゾルディック家の人間ね』
「なんで知ってるの?」
『仕事柄いろんな情報を知ってるの』
「お前…女だよね?」
『男だと思う?』


クスクスと笑い、その男を見つめる。
イルミは可愛らしく首を傾げた。


「名前…聞いてないんだけど」
『ん〜またいつか会った時にわかるよ』
「また?会える機会あるの?」
『あるよ…たくさんね』


窓枠に立って、イルミに向かって軽く手を振り、そのまま重力に逆らわずに地面に向かって背中から落ちていく。

イルミが若干慌てたように窓から覗き込むとそこにはもうマナミの姿はなかった。





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