大切な思い出をつくろう_1

□2_たべものをくれ
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いや、まだ諦めるには早い。

「そこに、誰かいるのですか!?」

必死そうな声が、呪われた扉の向こうから聞こえる。
声からして、中年の男性だろう。

「居るよ。あのさ、おじさん。ごはんくれない?そしたら、がんばって扉開けてあげるからさ。死にそうにお腹が空いてんだよ……」

心情は、切実だった。どうやら中にいる男性も切実に外に出たかったらしく、出してくれたら、食事を用意すると約束してくれた。

(そうと決まれば)

「待っててね!すぐ開けるからね!」

神殿を這いまわるようにして、結界石もろとも魔物を斬り捨て、目は危険に輝く。

食糧がかかっているのだ。おとなしく死んでもらおう。


それが嫌なら、食糧になるがいい。
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