大切な思い出をつくろう_1
□2_たべものをくれ
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「ありがとうございました。おかげで胃袋が満たされました」
「こちらこそ。封印を解いてくださって、助かりました。おかわり、いかがです?」
「頂きます」
味付けの少ないかゆに、ここまで食いついたのは、初めてだ。
(知らなかった。食べ物って、こんなに美味しいものだったのか)
またしても、じーんと、生きている喜びを噛みしめるのだった。
一度死んで捕食された身としては、もう、生きているだけで嬉しい。
二次元世界での人生。生まれ変わった気持ちで生きなおそう。
涙は、勝手にぽろぽろと流れた。
どうやら、涙もろくなってしまったらしい。