大切な思い出をつくろう_3

□57_置き去り
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カイルたちは、当初の目的の通り、アポイントメントなしでウッドロウ王との謁見を申し込みに行くらしい。無謀だとは思うが、旅の仲間として健闘を祈っておく。

「ジューダスくん、お子さまたちの”保護者役”…がんばってね」
「城まではセラスも付き合わせるから、いつもよりはマシだ」

「”城までは”?」
「カイルさんたちとは、元々、”白雲の尾根”を抜けるまでご一緒するという約束でしたし。俺にも”仕事”がありますからね」

セラスは、にっこりと笑った。”仕事”というのは、恐らく、”神様任務”関係のものだろうが…。

「というか、ジューダスくんとセラって、そんなに仲良しだったっけ」
「え?ははっ…、何言ってるんですか、俺たち兄弟ですよ?」

(まだ、親子ネタを使うか)

「僕は認めていない。だいたい、お前が年上だということも認めたくない」
「兄弟喧嘩は止めろよ!ってーか、セラス、もう新しい職を見つけたのか?騎士団を辞めたばっかりだったっていうのによ」

(いや、ロニ。騎士団の方がセラスの副職だったと思うよ?)

「まあ、私は大人しく”英雄門”を見物しているから。気が向いたら迎えに来てやってね」
「気が向かなくても迎えに行く」

「…?うん、よろしく」

ジューダスに手を握られた。
セラスからも手を握られた。

「仲のいい母子だねぇ」
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